人機一体とタツタ電線による新技術『人機カート ver.3.0』の誕生
株式会社人機一体とタツタ電線が共同で開発した『人機カート ver.3.0』が、2025年12月に開催される国際ロボット展(iREX2025)で初めてお披露目されます。この革新的な全方向移動台車は、工場内での重量ドラムの運搬やハンドリングに特化した設計です。
背景と目的
人機一体とタツタ電線は、2022年に資本提携を結び、工場での電線ドラム搬送における安全性向上と作業者の負担軽減を目指しています。このプロジェクトは「人機プラットフォーム」の一環として、工場内での重量物の機械化を目指して進められています。
プロトタイプの進化
2023年3月には、初代プロトタイプ『人機カート ver.1.0』の搬送デモが行われました。この過程で、全方向への移動能力は実現されましたが、運転者を搭載する仕様にするため大型化が課題となりました。これを受けて、さらなる改良を加えた『人機カート ver.2.0』が開発され、最終的に今回の『人機カート ver.3.0』が誕生しました。
新機能と特長
『人機カート ver.3.0』は、狭小空間での重量物運搬を考慮し、NSKと共同開発した「アクティブキャスタPalGo™ 高荷重タイプ」を搭載。これにより、前後・左右・斜め移動や旋回がスムーズに行えます。さらに、ゲームパッドでのリモコン操作にも対応し、操作の自由度が高まっています。
本体の設計としては、重量物を内側に積載する構造を採用し、フォークリフトのようなカウンターウエイトを必要とせず、740kgの本体で1,000kgの可搬重量を実現。これにより、運搬効率が大幅に改善されています。
最初のデモンストレーション
2025年10月には、タツタ電線の大阪工場で電線ドラムを使ったデモンストレーションが予定されています。この実演では、狭小空間を模したコースを走行する姿を見ることができるでしょう。これにより、実際の工場環境での活用が具体的に示されることになります。
展示内容と展望
iREX2025では、人機カート ver.3.0による電線ドラム搬送作業の実演と解説が行われます。この展示を通じ、重量ドラムやロールの運搬を必要とする業界への横展開を試みるとともに、製品化に向けたメーカーとの連携も目指しています。
最後に
未来の工場に欠かせない技術の一つとなるであろう『人機カート ver.3.0』。ぜひ、2025年の国際ロボット展でその動きを直接見て、実感してください。
イベント概要
- - 会期: 2025年12月3日(水)〜6日(土)
- - 会場: 東京ビッグサイト東4〜8ホール、西1〜4ホール、アトリウム
- - 主催: 一般社団法人日本ロボット工業会、日刊工業新聞社
詳細については、主催者のウェブサイトをご確認ください。