管理部門・士業におけるリモート勤務の現状とは?
株式会社MS-Japanは、管理部門や士業のプロフェッショナルを対象に、リモートワークと出社回帰の状況を調査しました。この調査から浮かび上がるのは、リモート勤務への移行が緩やかである現実です。
出社頻度とその背景
調査結果によると、管理部門・士業の勤務者の60.2%がフル出社しており、出社頻度に関しては78.9%が週に3日以上出社していることが分かりました。一方で、完全リモート勤務はわずか4.1%にとどまっています。このデータは、依然として多くの企業が対面での業務を重視していることを示しています。
企業規模別に見ると、500人未満の企業はフル出社の割合が高く、特に中小企業においてはその傾向が顕著です。逆に、1,000人以上の大企業ではフル出社率が40%にまで下がるなど、企業の規模によって出社のスタンスが異なるようです。
出社回帰の進行とその影響
調査では、49%の企業が出社の頻度を増加させる方向にシフトしていることが明らかになりました。特に100人以上の企業では半数以上が出社頻度の増加を感じていると答えており、リモートワークを導入していた大規模企業でも「出社回帰」の傾向が強まっています。出社が再び求められる背景には、対面のコミュニケーションやチームワークの重要性が増していることがあると考えられます。
出社回帰が最も目立ったのは2023年で、41.3%の企業がこの年に出社を増加させました。そして、2024年にも40.7%が引き続きその傾向を示すなど、出社回帰はまだ続いています。
若手社員の意識とは
ところが、出社頻度の増加に対する反応は一枚岩ではありません。特に20代と30代の若手社員の60%が出社増に難色を示し、全体では40.1%が否定的な回答をしています。これは、今の柔軟な働き方に慣れ親しんだ世代にとって出社が負担となっていることを示唆しています。
一方で、30.7%が出社頻度の増加を肯定的に捉えていることからも、企業側が出社を必要としている場面も存在することが伺えます。賛否が拮抗している中、組織としての適切な働き方の選択が重要です。
転職活動におけるリモートワークの重要性
さらに、転職活動においてリモート勤務が可能かどうかを気にする人は全体の51.7%に上ると分かりました。特に若者においてはリモート勤務可能な企業を選ぶ傾向が強く、61.5%がその点を重要視していることがわかりました。この結果は、今後の企業の人材戦略にも影響を与える可能性があります。
結論
MS-Japanの調査は、管理部門・士業における出社回帰が進行している一方で、リモートワークへの需要が依然として高いことを浮き彫りにしました。企業は、社員の働き方に対する多様なニーズに応える必要があり、それが人材の確保や企業の競争力に直結すると考えられます。この変化に柔軟に対応していくことが、今後の鍵となるでしょう。