知多市が導入する新たな取り組み
愛知県知多市が2025年3月21日、廃食用油を持続可能な航空燃料(SAF)とするための協定を複数の企業と締結しました。この協定は、環境保護と持続可能なエネルギー利用を目指す重要な一歩とされています。協定締結式は知多市役所で行われ、市長の宮島壽男氏をはじめとする関係者が出席しました。
協定の目的と経緯
この協定は、中部国際空港株式会社、日揮ホールディングス株式会社、株式会社レボインターナショナル、合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYの4社との連携により、廃食用油を原料としたSAFの資源化を促進することを目的としています。この取り組みは「Fry to Fly Project」の一環として進められ、地域住民が積極的に参加し、脱炭素社会の実現に貢献することを目指しています。
中部国際空港は、国内で初めて国産SAFを量産する拠点を持つSAFFAIRE SKY ENERGYと連携し、地域住民から排出される廃食用油を回収し、それを原料とするサプライチェーンを構築します。今回の協定締結は、航空業界の脱炭素化に向けた画期的な動きとして注目されています。
川の流れを可視化する具体的取り組み
知多市は、2009年から家庭や施設で排出される廃食用油を回収してきました。このプロセスを通じて、これまでに累計で16,549リットルの廃食用油が集められています。今後はこの油が、リサイクルされてSAFとして利用されることで、再資源化の具体例となります。
主な取り組みとしては、以下の4点が挙げられます:
1.
廃食用油の回収: 市内の各家庭から廃食用油を定期的に回収。
2.
SAF等の製造: 知多市内で収集した廃食用油を原料にしたSAFの製造を行う。
3.
情報発信: この取り組みを広く知らせるための情報提供を行う。
4.
その他の必要事項: 協定の目的を実現するために必要なこと全般。
Fry to Fly Projectの意義
「Fry to Fly Project」は家庭や飲食店で発生する廃食用油を原料に使ったSAFの活用を推進し、地域の環境負担を軽減する取り組みです。このプロジェクトには、203以上の企業や自治体が参加しており、その数は年々増加しています。これにより知多市の市民も積極的に資源循環型社会の形成に寄与し、より良い未来のための一助となることが期待されます。
知多市は、地域の特性を活かしたサステナブルな社会の構築を目指す中、今回の協定が新たな拠点となり、全国での先駆けとなることを願っています。今後の具体的な仕組みの構築とその実施が求められており、注目が集まっています。