新たなマンホールポンプ起動支援システムの概要
最近、「災害停電時マンホールポンプ起動支援システム」が発表されました。このシステムは、自然災害によって電力が失われた場合に、下水道のマンホールポンプを迅速に再運転させることができる新しい技術です。特に、台風や落雷などがもたらす影響を軽減するために開発され、持続可能なエネルギー社会の実現に向けての取り組みの一環として位置づけられています。
1. システムの特長
このシステムにはいくつかの特長があります。まず、高機動性を持つことです。可搬式蓄電池を使うことで、電動車両の機動性と組み合わせ、必要な場所へ迅速にアクセスし、複数のポンプを同時に起動させることが可能です。可搬式蓄電池は車輪付きで、大人2人でも簡単に運搬できるため、技術者だけでなく一般の人々にも扱いやすい設計となっています。
次に、誰でも簡単に復旧作業が可能という点が挙げられます。従来は、専門的な知識を持った電気工事士が必要でしたが、このシステムでは専用コネクターを使って容易に接続することができるため、緊急時でも直ちに対応できるのが大きな魅力です。
さらに、騒音がなくCO2の排出も抑えられるため、環境に優しいのも大きな特長です。従来の発電機を使用する場合に比べ、騒音問題や環境への配慮が求められる現代において、このシステムは優れた選択肢となります。
多用途性も抜群で、電源出力はAC100V、AC200Vに対応しています。これにより、他の設備への使用も可能であり、緊急時の照明や換気用の電源としても活用できます。これまでにない柔軟な運用が可能となるでしょう。
2. 展示会出展のお知らせ
この新システムは、2022年8月2日から5日まで東京ビッグサイトで行われた「下水道展’22東京」に出展されました。下水処理ゾーンのブース番号2-411で、多くの来場者にこの革新的なシステムの実演が行われ、高い関心が寄せられました。
3. 今後の展開
現在、荏原実業株式会社や三菱自動車工業株式会社など、複数の企業と連携しながらこのシステムのフィールド実証実験を進めています。2022年12月に実験は終了予定で、販売開始は2023年4月を目指しています。
4. 会社情報
荏原実業株式会社
- - 所在地: 東京都中央区銀座七丁目14番1号
- - 代表者: 吉田 俊範
- - 事業内容: 環境関連機器の製造販売及び上下水道施設のエンジニアリング
三菱自動車工業株式会社
- - 所在地: 東京都港区芝浦三丁目1番21号
- - 代表者: 加藤 隆雄
- - 事業内容: 自動車及びその部品の開発、製造、販売
この新システムは、災害時の迅速な対応を可能にし、持続可能な社会の実現に寄与することが期待されています。今後の展開が注目されます。