イーソルとRTIが提携
2021-08-31 10:00:10
イーソルとRTIが自動車業界向けに提携、リアルタイムOSとネットワークミドルウェアを融合
イーソル株式会社は、米国のReal-Time Innovations(RTI)との業務提携を発表し、自動車および産業用組込みシステムの開発に向けた革新を目指しています。この提携により、イーソルのリアルタイムOS(eMCOS®)とRTIの分散型ネットワークミドルウェア(Connext® DDS)が連携し、高性能なマルチコアシステムをより効率的に開発するための共同ソリューションが提供されます。
イーソルは、マルチコアシステムをサポートする商用リアルタイムOSのパイオニアであり、特にArmマルチコアCPU上で動作する技術に特化しています。RTIは分散システムにおけるデータ伝送の標準であるData Distribution Service™(DDS)を開発しており、産業オートメーションの現場で広く使用されています。このように、両社はそれぞれの分野で高い専門性を持ち、共同で最先端の技術を提供することで、業務用アプリケーションの新たな可能性を拓いています。
具体的には、今回の提携を通じて、eMCOS®プラットフォーム上でRTIのConnext® DDSが利用可能となり、Connected CarやIndustry 4.0などの先進的な技術に必要な分散型ネットワーク機能が、即座に開発者に提供されます。これにより、開発プロセスは大幅に効率化され、自動運転車や産業ロボットなどのマルチコアシステムの設計も、より迅速かつ安全に進められることになります。
また、イーソルの上山常務取締役は「組込みシステムが直面する効率性やセキュリティに関する課題を解決するためには、オープンな規格の開発が重要だ」と語り、将来的な技術革新に向けた取り組みを強調しました。RTIのケルビン・ホル氏も、両社がオープン規格と高性能な技術によって、カスタムコードを必要としないソフトウェアを提供可能になるとの期待を表明しました。
さらに、イーソルとRTIの協業は、産業用アプリケーションの標準化活動や連携を強化し、これまでの技術的限界を越えた新たな可能性を示唆します。イーソルは1975年に創業以来、組込みシステムとエッジコンピューティングの分野でグローバルなリーダーとしての地位を確立しており、東京都中野区に本社を構えています。彼らの技術は、国内外での厳しい安全基準を満たした多様な市場で採用されています。
RTIはカリフォルニア州に本社を持ち、自律システム向けに特化したソフトウェアフレームワークを提供しており、250以上の自動運転車プログラムにも使用されています。そのため、両社の提携は自動車業界にとって非常に重要な意義を持つものといえるでしょう。今回の共同ソリューションがどのような影響をもたらすのか、業界関係者の注目が集まります。今後、イーソルとRTIの技術がどのように発展していくのか、期待が高まります。
会社情報
- 会社名
-
イーソル株式会社
- 住所
- 東京都中野区本町1-32-2ハーモニータワー
- 電話番号
-
03-5365-1560