富士通がSalesforce Marketing Cloud Nextを導入
富士通株式会社は、顧客データの活用を進めるため、SalesforceのMarketing Cloud Nextを「富士通Salesforceサポートデスク」に導入することを発表しました。この取り組みは、AIを駆使したマーケティングの展開を目指すもので、従業員や顧客の体験を革新することを狙いとしています。
これまで、富士通は複数のAI技術を活用しており、特にEinstein for ServiceやAgentforce for Serviceなどが顧客サポート業務に導入されてきました。これによって、顧客からの問い合わせに対して、レスポンスを大幅に短縮することに成功しています。その結果、2025年1月には、AIエージェントプラットフォームであるAgentforceを通じて、平均応答時間を大幅に削減するという成果を上げました。
導入の背景と目的
富士通が今回Marketing Cloud Nextを導入した背景には、以下の課題が存在しました。顧客応対におけるデータ活用の幅を広げ、よりパーソナライズされたサービスを提供する必要があったのです。従来、CRMシステム内の情報に頼る形での顧客対応が常態化していましたが、周辺システムのデータもフル活用することで、より質の高いサービスを実現したいという狙いがあります。
さらに、業務効率化の観点からも課題が指摘されていました。富士通の従業員には多くの問い合わせや反応に対してパーソナライズされたコンテンツを提供することが求められていましたが、限られたリソースでは十分な対応が難しかったのです。そこで、AIによる自動化を実現すべくMarketing Cloud Nextを導入する決断に至りました。
Marketing Cloud Nextの特長
Marketing Cloud Nextは、Salesforce Platformの上に構築されたフルファネル型のAIマーケティングプラットフォームです。このプラットフォームは、データに基づく意思決定をサポートし、業務の各段階にわたって活用することが可能です。この新しいテクノロジーは、AIエージェントが24時間365日、顧客の対応を行います。
1.
データ統合とパーソナライズの実現
Marketing Cloud Nextでは、顧客の契約情報やアンケートデータを統合することができ、これにより様々なデータソースを活用して、各顧客に応じた情報提供が可能になります。
2.
AIによる業務効率化
Agentforce for MarketingやEinsteinを活用することで、キャンペーンやコンテンツの生成が自動化されます。これにより、富士通の従業員はより重要な業務に集中できます。
3.
自律型AIエージェントの活用
複数のAIエージェントが連携し、契約更新のリマインドやQA対応などを自動で行うことができ、業務をより効率的にします。難しい案件は人間の担当者に引き継がれる仕組みになっており、顧客満足度の向上にも寄与します。
今後の展望
富士通では、今後さらに収益管理の業務を一元化するためにRevenue Cloudを導入し、契約から請求に至るまでを自動化することを目指しています。この取り組みにより、業務の透明性と効率を高め、お客様に対するサービスの質を向上させることを狙っています。
顧客体験における進化を促進するために、富士通は常に最新の技術を取り入れ、自社のビジネスプロセスを改善する努力を続けていくでしょう。導入されたMarketing Cloud Nextは、業務の効率化と並行して、顧客それぞれに最適化された体験の提供を可能にします。
このように、AIエージェントを駆使したエージェンティックマーケティングの実現により、富士通はさらなるビジネスの革新へと繋げていくことは間違いありません。