フリーBGM協会が発表した2025年度年次レポートの要点
一般社団法人フリーBGM協会(以下、フリーBGM協会)は、2025年度の活動実績をまとめた「2025年度年次レポート」を4月1日に発表しました。このレポートには、賛同作家たちが対象とした「フリーBGMの利用実態とAIに関する調査」の結果も含まれており、音楽制作や利用の環境改善に向けた重要な指針が示されています。
フリーBGMの利用環境の拡大
この調査によると、著名な企業400社の内、就職ランキングの上位50の大学において98%がフリーBGMを広報コンテンツ制作に使用していることが分かりました。これは前回の調査よりも4ポイントの増加を記録しています。さらに、中央12省庁においても利用率は91.7%に達しています。これにより、大学や官公庁でのフリーBGMの活用がより一層広がっていることが明らかになりました。
今年からは放送事業者への利用実態調査も開始しました。2025年12月時点では、主要なキー局5局を含む124のテレビ局、81のラジオ局がフリーBGMを利用しており、その楽曲数は14,000曲を超え、900を超える番組で使用されています。このような実績は、今後の利用拡大にも期待が持てる状況です。
動画・ゲーム領域における活用進展
調査の結果、昨年度に引き続き、フリーBGMの主要な利用場面は「YouTube・TikTokなどの動画」および「ゲーム」が中心であることが示されました。しかし、教育機関やテレビ・ラジオ放送での利用は少し鈍化しているとの声も聞かれました。それでも、学校での作品発表やテレビ番組でのフリーBGMの利用は依然として多く、活用されている事例も確認されています。これにより、さらなる利用の可能性が見えてきています。
AI音楽に対する意識
AI音楽に関連する調査では、作曲家の約7割がAIの活用に対して慎重な姿勢を示していることが明らかになりました。具体的には、「脅威だと思う」と感じている作曲家が21%、「不安はあるが共存可能」とする意見が60%を占めていました。また、制作現場において約32%がAIを部分的に活用している一方で、約70%が「ほとんど利用していない」または「利用したくない」と答えています。このことは、音楽の個性や独自性の重要性という観点から、作曲家たちの価値観が反映されていることを示唆しています。
安全な音楽環境の構築
フリーBGM協会は2025年度の活動を通じて、作曲家と利用者が安心してフリーBGMを利用・制作できる環境を構築することを目指しています。企業に向けては動画、ゲーム、イベント、CM、放送での利用に関する「楽曲利用許諾申請窓口」を開設し、個別確認の手間を減らすことで、より安心してフリーBGMを活用できるよう努めています。また、次世代クリエイターを支援するため、「全国動画クリエイト甲子園」への協力を進めており、フリーBGMや著作権に関する知識を広める教材の整備を行っています。このような取り組みを通じて、協会は引き続き音楽制作の環境改善に寄与していく方針です。
結論
2026年度に向けてもフリーBGM業界は多様な取り組みを続けていく意向で、変化に対応した柔軟な環境作りが期待されています。音楽作りを楽しむという基本的な価値観を保ちながら、新しい技術との共存を模索する姿勢が、今後のフリーBGMの発展に寄与することでしょう。フリーBGM協会の公式noteにて年次レポートの詳細が公開されていますので、ぜひチェックしてみてください。公式サイト:
フリーBGM協会
フリーBGM協会について
一般社団法人フリーBGM協会は、音楽制作や利用に安心感を提供するために設立されました。新たなフリーBGMの活用方法や、作曲家の交流促進に努めています。