量子技術で酵素活性
2026-02-27 09:16:52

量子技術で実現した生体内複数酵素活性の同時検出!

量子技術による生体内の酵素活性同時検出の進展



東京大学の研究チームが、画期的な量子センシング技術を用いて、複数のアミノペプチダーゼ活性を生体内で同時に測定することに成功しました。この新技術の開発は、がんの早期診断や治療効果の判定、ひいては多様な疾患の診断手法の革新に寄与することが期待されています。

研究の背景と基盤技術



アミノペプチダーゼは、血管新生や腫瘍成長に関与する重要な酵素であり、その活性のバランスが様々な疾患と密接に関連していることが知られています。しかし、これまでの方法では、体外で行う間接的な解析に限られており、腫瘍内部など特定の部位における酵素活性を直接評価することは難しい状況でした。

本研究では、核磁気共鳴法(NMR/MRI)に基づく量子センシング技術「超核偏極」を活用し、生体内での高感度な解析を実現する新たな分子プローブの設計に着手しました。この技術により、非侵襲的に酵素活性を測定することが可能となります。

新しい分子プローブの設計



研究チームは、量子化学計算と実験的評価を組み合わせた分子設計戦略により、酵素反応性とNMR/MRI信号を制御する異なる構造を最適化。これにより、化学シフトが異なる複数の超核偏極MRI分子プローブを開発し、これまでにない精度での同時測定を実現しました。

腫瘍モデルにおける実証実験



開発した分子プローブを用いて、腫瘍モデルマウスにおけるアミノペプチダーゼ活性の変化を解析しました。結果として、腫瘍の体積に先立って酵素活性の低下を確認することができ、治療効果の早期判定が可能であることが示されました。この成果により、腫瘍タイプの高精度な分類も実現できる可能性があると期待されています。

今後の展望



この研究成果は、がんの診断にとどまらず、腎疾患や神経変性疾患など、様々な疾患における臨床応用が期待されます。また、明確な化学シフトを持つ分子プローブの設計原理は、他の酵素を標的としたプローブの開発においても応用されることが見込まれています。

さらに、量子センシング技術による高感度な酵素活性測定は、診断分野での新たなブレイクスルーとなるでしょう。ナノテクノロジーや生体科学とのさらなる融合が、未来の医療の進化を加速させるのです。

本研究成果は、2026年に米国化学会の「Journal of the American Chemical Society」に掲載される予定です。

研究者情報



本研究は東京大学大学院工学系研究科、量子科学技術研究開発機構、岐阜大学、大阪大学などの共同研究により成り立っています。特に、谷田部浩行助教や齋藤雄太朗助教を中心とするチームによって推進されました。

この画期的な技術が、今後どのように医療現場に応用されていくのか、引き続き注目が必要です。

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