非感染性疾患への政策提言
2026年3月、日本チームが発表した医療システムに関する政策提言が注目されています。本提言は、非感染性疾患(Non-Communicable Diseases: NCDs)への予防と早期介入をテーマに、日本の保健医療システムの未来を見据えた重要な文書となりました。
本提言書は、国際的な視点や専門家のインプット、当事者との協力を通じて、NCDs対策のための政策ロードマップを作成しました。なぜ今、NCDsへの対応が求められ、どのように進めるべきか。その答えがこちらにあります。
NCDsの増加に伴う健康や社会的な負担は長寿化と共に高まる一方で、これまでの対策中心のアプローチを見直す必要があります。本提言は、以下の3つのシフトを強調しています:
1.
対策中心から予防へ - 疾病の発症後に治療する近視眼的な視点を脱却し、予防活動に重きを置くべきです。
2.
分断から統合へ - 医療サービスの連携を深め、個別でなく全体的な視点から問題を解決することが求められます。
3.
量から価値への転換 - 医療サービスの提供数量だけでなく、その質や効果にも焦点を当てる必要があります。
この提言はさらに、7つのドメインに基づく体系的な評価を導入しており、特に以下の側面が強調されています:
- - ポピュレーションヘルス: 健康な社会作りのための戦略。
- - ガバナンス: 効果的な政策決定のための指針。
- - サービス提供: 患者中心の医療サービスの提供方法。
- - 財政: 持続可能な資金調達の重要性。
- - 労働力: 医療従事者の育成と確保。
- - 医薬品・医療技術: 新しい技術の導入とその管理。
- - 環境持続可能性: 医療行為が環境に与える影響を考慮した取り組み。
これらのドメインを通じて、より強靭で持続可能な保健医療システムの実現に向けた具体的な方向性が示されています。この新しい医療システムは、患者の尊厳や社会参加を支える役割も果たすことが期待されています。
PHSSR(Partnership for Health System Sustainability and Resilience)は、世界経済フォーラムやロンドン・スクール・オブ・エコノミクスといった世界的な組織の協力により、日本の医療政策向上に向けたプロジェクトです。この取り組みは新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、各国の保健システムを見直すきっかけともなりました。
日本医療政策機構(HGPI)は、このプロジェクトに積極的に参加しており、幅広いステークホルダーとの協働を通じて、独立した視点から医療政策の新たな解析と提言を行っています。特に、女性の健康やがん対策、認知症、薬剤耐性など、これまであまり注目されていなかった重要なテーマをもとに政策課題を掘り下げてきたことが、国際的な場での議論につながっています。
今回の提言書がもたらす影響は、日本国内にとどまらず、世界的な医療政策の進展を後押しするものとして大きな可能性を秘めているといえるでしょう。私たちが直面する健康・医療の課題に対し、PHSSRのアプローチがどのように寄与できるのか、今後の展開に注目です。