日本電気硝子が革新するカバーガラス技術
日本電気硝子株式会社が、独自の「微細凹凸技術」を駆使したカバーガラスの量産プロセスを確立しました。この技術により、タブレットをはじめとするディスプレイ機器への応用が期待されています。この新しい技術は、ガラスの表面にナノメートル単位の微細な凹凸を均一に作り出し、書き心地の向上や摩擦特性の制御を実現します。
微細凹凸技術の詳細
この技術は、ガラスの表面に設けられた微細な凹凸によって、タブレットやペンタブレットの使用時にペンの滑りを抑えることが可能です。これまでのガラス表面ではペン先がスムーズに滑るため、紙に書いたかのような自然な感覚が得られなかったのですが、微細な凹凸が摩擦を適度に高め、まるでボールペンで紙に書くような感覚を提供します。また、ペン先の摩耗を抑える効果もあり、その寿命を延ばすことにも寄与しています。
デジタルクリエイションの現場では、書き心地の良さが作業効率に直結します。この新しいカバーガラスは、従来の専用フィルムと比べても耐久性や透明性に優れており、長期間にわたって安定した書き心地を提供します。さらには、ガラス自体の質感を損なうことなく、クリアな視認性も実現しています。
多機能な特性
微細凹凸技術は、書き心地の向上だけでなく、以下の多様な機能をも備えています。
- - 膜密着性の向上:微細な凹凸が金属膜や樹脂膜との密着性を高め、耐久性を向上させます。
- - 濡れ性の制御:撥水性を持たせることで、水滴の付着を抑え、悪天候でも視界を保ちます。
- - 光散乱の制御:光の透過や反射を調整でき、反射を抑えたディスプレイや高透光性のスクリーンとしての応用が可能です。
使用可能な広がり
この技術は、タブレット端末のみならず、教育機器や産業用機器メーカーとの提携を通じて、さらなる市場展開が期待されます。最大加工サイズは510mm×600mmで、ガラス以外にも金属やセラミックス、樹脂への加工も可能です。このことは、様々な分野での応用も促進します。
企業としての実績
日本電気硝子株式会社は1949年の創立以来、特殊ガラスの製造を行っています。世界トップクラスの技術を持ち、半導体や電子機器、医療分野など、幅広い領域で活躍しています。高い評価を受けている特殊ガラス技術は、生活に密着した場面から産業の最前線まで、多くの利便性を提供しています。新たに開発された微細凹凸技術も、その信頼性と品質をさらに高める一歩となることでしょう。
日本電気硝子の今後の展開には、私たちも目が離せません。