洋上データセンター開発
2025-07-07 16:33:03

発電船による洋上データセンターの未来を切り開く共同開発合意

発電船からの電力供給による新しいデータセンター構想



2023年、株式会社商船三井は、世界最大級の発電船事業を展開するKaradeniz Holdingと共同で、発電船から電力を供給する洋上データセンターの開発に関する基本合意書(MOU)を締結しました。このプロジェクトは、発電船を利用して洋上にデータセンターを設置し、急増するデータ処理ニーズに応える新しいビジネスモデルの構築を目指しています。

背景とプロジェクトの必要性



最近、生成AIの普及に伴い、データセンターの需要が急増しています。しかし、都市部では電力供給が追いつかず、土地不足や冷却用水の不足といった資源の問題が顕在化しています。これまでのデータセンターの設置には、大規模な土地や資源が必要でしたが、洋上データセンターはこれらの問題を解消する可能性があるのです。

プロジェクトのメリット



この洋上データセンターは以下のメリットを持つとされています:

1. 電源の独立性
発電船からの電力供給により、地域の電力網に依存せずにデータセンターを運用可能です。特に、アメリカなど電力が逼迫している地域では、既存の電力供給に依存することなく、即時にデータセンターの運用を開始できる点が大きな利点です。

2. 土地の確保が不要
従来の陸上データセンターとは異なり、大規模な土地を確保する必要がなく、取得費用を抑えられます。このため、建設期間も1年程度と短縮され、最大3年の時間を節約できます。

3. 移設の柔軟性
中古船を改造した洋上データセンターは、需要に応じて稼働場所を変更可能です。状況によっては、一般の船として運行しながらデータセンター機能を持つことも実現できます。

環境への配慮



中古船を利用してデータセンターを構築することは、環境負荷を軽減する要因ともなります。新たな原材料を採掘することなく、既存の船体を再利用することにより、環境に優しい事業モデルを実現しています。さらに、冷却システムには海水を使用するため、運用コストの削減も見込まれています。

2030年までの展望



このプロジェクトは、2027年に運用開始を目指し、技術的な検証や設計の評価が進む予定です。商船三井とKaradenizは、相互に持つ専門知識を活かしながら、業界の最前線で競争力のあるデジタルインフラを構築していくことを目指しています。

結論



商船三井とKaradenizの提携によるこの革新的な洋上データセンターの開発は、急増するデータ処理ニーズに応えるだけでなく、環境保護の観点からも大きな意味を持ちます。今後の進展に注目が集まります。


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会社情報

会社名
株式会社商船三井
住所
東京都港区虎ノ門2-1-1 商船三井ビル
電話番号

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