大和証券グループが取り組む耐量子暗号技術
株式会社大和証券グループ本社(以下、大和証券グループ本社)は、その傘下の大和証券株式会社(以下、大和証券)および株式会社大和総研(以下、大和総研)と共に、NEC、F5ネットワークスジャパン合同会社(以下、F5ネットワークス)、デジサート・ジャパン合同会社(以下、デジサート)と協力し、量子コンピュータの普及に備えた耐量子計算機暗号技術(Post-Quantum Cryptography、以下PQC)の概念実証結果を公表しました。この取り組みは、金融機関におけるオンラインサービスの安全性を高めることを目的としています。
量子コンピュータの進展とPQC導入の必要性
近年、量子コンピュータの開発が加速しており、従来の公開鍵暗号方式が将来的に脆弱になる可能性が懸念されています。特に金融機関では顧客の重要な情報を扱うため、PQCの早期導入が急務とされています。大和証券と大和総研は、量子コンピュータに対する専門知識を持つ各企業と連携し、PQCの実用化に向けて具体的な検証を行いました。
概念実証の主な成果
この実証実験の結果は、以下のようなポイントにまとめられています。
1.
実証結果
インターネット通信におけるPQCの鍵交換処理は、処理時間の増加が限られていることが明らかになりました。しかし、鍵のサイズが増加することによる通信量やパケット数の増加から、一部の通信環境では事前確認が必要です。
2.
標準化の動向
一部の暗号処理は、業界における標準化がまだ途上であるため、今後の標準化の進展に合わせて段階的に移行する必要があります。
3.
PQC移行の進め方
検証したシステムでは複数の暗号方式が利用されているため、全体的な対応を考慮する必要があります。暗号移行の専門的な検討体制を構築し、利用箇所や方式を整理する台帳の作成に着手することが有効だという示唆が得られました。
大和証券グループの今後の方針
これらの検証結果を踏まえ、大和証券グループはPQCの正式導入に向けた方針を策定し、量子コンピュータの実用化に向けたセキュリティ強化および安全なシステム基盤の構築を推進していく予定です。
各社の役割
このプロジェクトにおける各社の貢献は以下の通りです。
グループ内の連携や進捗、リスク管理を行い、検証結果を基にオンラインサービスの安全性と利便性を兼ね備えたPQC導入方針を策定。
オンラインサービスへのPQC適用の互換性や処理性能、運用への影響を検証し、その結果を実運用時のシステム設計や運用方針に落とし込む。
検証環境構築からシナリオ作成、技術検証、評価まで一貫して実施し、成果をホワイトペーパーとしてまとめ、金融業界への情報共有に貢献。
PQCに関する専門的見解を提供し、技術的信頼性の向上に寄与。ホワイトペーパーのレビューも担当。
PQC対応のADCを提供し、次世代のネットワークインフラを支える。
国際標準化動向に関する専門知見を持ち、PKIの安全運用の基盤を支える。
このように、大和証券グループは量子コンピュータ時代においても安全に取り扱える金融サービスを提供できるよう、今後も技術革新に取り組んでまいります。詳細なホワイトペーパーは大和総研のウェブサイトで確認可能です。