はじめに
株式会社NTT ExCパートナーが、生成AIに基づいた新たなヘルプデスク業務の効率化を推し進めている。ここでは、特に注目すべき点は、シナモンが提供するRAGシステム「Super RAG」が導入されたことで、従来の業務内容から3倍の回答精度が達成された点だ。この取り組みは、NTTグループの各社にとって、問い合わせ対応の質を格段に向上させる可能性を秘めている。
導入の背景
NTT ExCパートナーは、各種業務の高度化と効率化に向け、生成AI技術の活用に力を入れている。特に調達業務に関連するヘルプデスクでは、迅速かつ正確な対応が求められており、その一方で業務の属人化や回答の一貫性の欠如が顕在化していた。これらの課題解決を目指し、シナモンAIの「Super RAG」が導入された。
「Super RAG」は、大規模言語モデルと連携し、図や表を含む非構造的なドキュメントを高精度で解析・参照する能力を持つ。これにより、従来の手法では対応が難しかった問い合わせにも的確に対応することが可能となった。
取り組みの効果
このシステム導入により、以下のような効果が得られた:
1.
高精度な回答生成
- RAGシステムに基づく回答精度が、他社システムと比較すると約3倍という高い水準に。
2.
対応時間の短縮
- マニュアルや仕様書の検索時間の削減が実現し、問い合わせに対する回答も迅速化した。
3.
属人性の低減
- 業務の標準化が進み、これによりオペレーターは業務負担が軽くなり、業務の属人化が解消される。
これらの成果は、今後のヘルプデスク運営においても大きな影響を及ぼすだろう。特に、業務プロセスにおけるAIの活用が、運営の効率化を一層進める可能性を示唆している。
今後の展望
2024年度には、新設されたAI共創イノベーション室が主導となり、得られた知見をもとに生成AI導入に関するコンサルティングサービスを提供していく。この取り組みでは、特にBPOサービスやオペレーション業務における経験を最大限に活かすことが重要視される。
NTT ExCパートナーは、社内業務やオペレーションの改善に向けたRAG活用方法を提案し、さらなる精度向上のためのプロセスを支援する。実務に根ざしたAI活用のノウハウが、顧客にとっての新たな価値を創造する。これからの展開には大きな期待が寄せられている。
シナモンAIの概要
シナモンAIは2016年に設立され、非構造化データのAIプロダクト事業やコンサルティング事業を展開している。「自動化の自動化」をテーマに、高度なビジネスAIソリューションを提供することを目指しており、国内の大手企業への導入実績も豊富だ。
シナモンAIは、ベトナムに研究所を持つなど、AI人材の育成にも力を入れ、DXやAI活用の推進に寄与している。
お問い合わせ
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この新しいヘルプデスク運営の挑戦が、今後の業務の進化にどう寄与するのか、引き続き注目していきたい。