100年後も残したい、幻のラムネの物語
「幻のラムネ」として名高い「レインボーラムネ」が、UHA味覚糖株式会社の手によって復活し、クラウドファンディングサービス「Makuake」で大きな支持を集めました。その功績により、プロジェクトは「Makuake Of The Year 2024」に輝きました。今回は、このプロジェクトの背景や成果を紹介します。
受賞までの道のり
UHA味覚糖株式会社が実施したこのプロジェクトは、特に支持を受けていたアイテムの一つです。その名も「カリッ、ホロッと溶ける!イコマ製菓本舗『レインボーラムネ』」。このプロジェクトが発表されたのは12月2日で、実に6999件のプロジェクトの中から選ばれた25件の一つです。多くのサポーターから集まった応援金額は、17127324円という驚異的な数字に達し、設定目標額に対して5709%という高評価を得た結果の受賞となりました。
イコマ製菓本舗の歴史
このプロジェクトを支えるのは、奈良県生駒市に位置するイコマ製菓本舗の社長、平口治氏です。同社は小さな製菓業者としてスタートし、長い年月をかけてラムネを主力製品として育ててきました。1993年、平口社長はサッカーW杯の「ドーハの悲劇」を観る中で、サッカーボールをイメージした大型ラムネの開発を決意します。その名も「レインボーラムネ」。
それでも続く苦難
発売当初は反響が薄く、平口社長は直接店頭販売を行うなどして顧客の獲得に奔走しました。ある女性がその様子をブログで発信したところ、口コミが広がり、行列ができる人気商品となりました。しかし、2008年に平口社長が病を患い、工場は一年間の休業を余儀なくされます。この期間、ファンからの要望は高まり“幻のラムネ”と呼ばれることになります。
技術の継承へ
「この味と技術を後世に残したい」と考えていた平口社長は、UHA味覚糖の山田社長に声をかけ、その共同開発を進めることになります。一緒に「レインボーラムネミニ」の開発に取り組み、様々な技術やノウハウを伝承していきました。オリジナルサイズの製造は非常に難易度が高く、試行錯誤を繰り返す中で、少しずつ理想の食感を実現していくのです。特に「カリッ、ホロッ」とした食感は、たこ焼きのような食感を目指していた平口社長の理想の一つでした。
クラウドファンディングの成功
その結果、最新技術を活用した「レインボーラムネ」が登場し、3003名のサポーターから大きな支援を受けました。「100年後も残したい味」というコンセプトが、このプロジェクトの強い支えとなりました。クラウドファンディングで得た資金を基に、品質向上と製造の効率化が図られました。
現在と未来
平口社長は、定期的にUHA味覚糖を訪れ、進捗を確かめているそうです。発売して終わりではなく、さらなる進化と品質安定を目指して、レインボーラムネの開発が進行中です。彼の強い思いと職人たちの手によって、未来へと受け継がれる「幻のラムネ」を楽しみにしたいものです。