マウザー、Renesasの最新マイクロプロセッサ「RZ/T2H」を発表
半導体と電子部品の提供で知られるMouser Electronics(以下、マウザー)が、新たにRenesas Electronics(以下、Renesas)の9軸モーション制御マイクロプロセッサ「RZ/T2H」の取り扱いを開始しました。この製品は、業界初の高度な9軸Linuxベースのマイクロプロセッサであり、産業オートメーションやモバイルロボティクスにおける高精度なモーション制御を実現します。
RZ/T2Hの特長と技術的優位性
RZ/T2Hは、高精度なコントロールを必要とする用途向けに設計され、その強力な処理能力を一つのチップに集約しています。これにより、産業用ロボットやモーションコントローラ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)の部品表(BOM)点数を削減し、消費電力や基板サイズの縮小が可能です。
基本仕様と機能
RZ/T2Hは、クアッドArm® Cortex®-A55 CPUコア(1200MHz)に加え、デュアルArm Cortex-R52 CPUコア(1000MHz)を搭載しており、最大9軸のモーション制御を支えています。この構成により、リアルタイムかつ低遅延の高精度制御が可能で、さまざまなアプリケーションに対応します。
また、Time-Sensitive Networking(TSN)に対応したネットワーク機能を備え、EtherCATやEtherNet/IP、PROFINET RT/IRTなどの産業用イーサネットプロトコルをサポートしています。これにより、複雑なネットワーク環境にも柔軟に対応できます。
メモリとインターフェース
加えて、RZ/T2HはLPDDR4に対応した大容量のメモリインターフェースや、SD/eMMCに対応した非揮発性メモリインターフェースを搭載しており、より多くのアプリケーション機能を実現します。さらに、PCIe Gen3(2レーン)やxSPI(2チャネル)といった高速インターフェースも利用可能です。
RZ/T2H評価ボードの提供
マウザーでは、RZ/T2Hの評価用ボードも取り扱っています。この評価ボードには、必要な機能がすべて搭載されており、ユーザーはすぐに利用を開始できます。USB接続でソフトウェア開発やデバッグが可能で、Renesasのウェブサイトから入手できるサンプルソフトウェアと共に、e2studio統合開発環境(IDE)も活用できます。
さらに、この評価ボードは複数のブートモードに対応しており、3チャネルGMACとイーサネットスイッチが搭載されているため、産業用イーサネットの評価も容易に行えます。
マウザーの役割と今後の展望
Renesasの9軸モーション制御マイクロプロセッサ「RZ/T2H」を取り扱うことで、マウザーは新たな顧客のニーズにも迅速に応える体制を整えています。当社は最新の半導体や電子部品、産業用オートメーション製品を幅広く用意し、エンジニアの設計開発を支援します。加えて、技術リソースやデータシートなど、多数の情報も提供し、ユーザーが必要な情報に簡単にアクセスできるようにしています。
エンジニア向けの無料eニュースレターを通じては、新しい技術や製品トレンドについての情報をお知らせし、個別のプロジェクトニーズに合わせたカスタマイズを行っています。先進的な開発を支援するため、ぜひマウザーのリソースをご活用ください。