次亜塩素酸水溶液の有効性について
パナソニック株式会社の空質空調社は、次亜塩素酸水溶液から放出される有効塩素成分が、イヌジステンパーウイルスとネコヘルペスウイルスを驚異的に99%以上抑制できることを調査しました。この研究は、約25立方メートルの空間内で行われ、120分でウイルスの抑制が確認されたとのことです。
次亜塩素酸水溶液の生成
次亜塩素酸水溶液は、食塩水を電気分解することによって生成されるもので、除菌や脱臭に非常に高い効果を持つ成分です。1987年に、パナソニックは自動販売機の衛生保持のためにこの技術を利用し、その後30年以上にわたって研究を続けています。最近の研究では、イヌパルボウイルスやネコ汎白血球減少症ウイルス、さらにはネココロナウイルスにも抑制効果が確認されています。
イヌジステンパーウイルスとネコヘルペスウイルス
イヌジステンパーウイルスは、主に犬に影響を及ぼす伝染力の強いウイルスで、感染経路は空気中の飛沫や感染動物との接触を通じて広がります。初期症状は発熱やくしゃみ、咳、鼻水といった呼吸器系の症状が目立ち、さらに進行すると消化器系の問題や神経症状を引き起こす場合があります。場合によっては致命的な結果を招くこともあるため、特に注意が必要です。
一方で、ネコヘルペスウイルスはネコ科動物に主に影響を与え、呼吸器系に特化した感染を引き起こします。このウイルスも、飛沫や直接接触によって感染が広がり、軽度の場合はくしゃみや鼻水などの軽い症状に留まりますが、重症化すると発熱や食欲の低下、さらには呼吸困難を引き起こす可能性があります。
今後の展望
今回のパナソニックの研究結果は、次亜塩素酸水溶液からの揮発した有効塩素成分が、イヌジステンパーウイルスやネコヘルペスウイルスを床や診察台、手術台などに強力に抑制することから、ペットの健康管理に新たな選択肢を提供するものとなります。この技術のさらなる利用が期待され、ペットを飼う人々が安心して暮らせる環境が整えられることでしょう。
(注:今回の研究は基礎的なものであり、実際の製品での効果が保証されるものではありません。)