NTTドコモビジネスとピクシーダストが行う「おわら風の盆」翻訳実証実験
富山県に位置する八尾町で、毎年開催される伝統的なお祭り「おわら風の盆」。その祭りに際して、NTTドコモビジネス株式会社(旧 NTTコミュニケーションズ)とピクシーダストテクノロジーズは、外国人観光客向けのリアルタイム翻訳ソリューションの実証実験を計画しています。この実験は、2025年9月1日から3日までの間に行われ、インバウンド対応の効率化と観光客の満足度向上を目的としています。
おわら風の盆の背景
「おわら風の盆」は、約300年の歴史を持ち、例年20万人以上の観光客が訪れる富山県の伝統的な祭りです。最近では、2025年において富山市が「ニューヨーク・タイムズ」誌の「行くべき52か所」に選出されたことや、日本の踊り文化がニューヨークでのジャパンパレードで紹介されるなど、訪問者の増加が見込まれています。しかし、観光案内所のスタッフは高齢化や人手不足があり、多言語での案内が不十分になりがちです。
実証実験の概要
この実証実験では、リアルタイム翻訳ソリューションを利用し、観光案内所での業務を効率化します。ピクシーダストテクノロジーズが提供する「VUEVO Display」を活用し、訪問者との対話をスムーズにすることが狙いです。この透明ディスプレイは、発言者の言葉とその翻訳を同時に表示し、100以上の言語に対応しています。参加者は簡単にこのシステムを操作できるため、言語の壁を越えた円滑なコミュニケーションが期待されます。
実施場所と役割分担
この実証実験は、おわら風の盆開催エリア内に設置される6カ所の観光案内所で実施されます。NTTドコモビジネスが「5Gワイド」を提供し、リアルタイム翻訳に必要なスマホや機器の貸し出しを行います。一方で、ピクシーダストテクノロジーズは「VUEVO Display」と集音マイクを提供し、参加者が容易に利用できる環境を整えます。
今後の展望
本実証実験の成果をもとに、両社は他の自治体や観光協会に対し、訪日外国人観光客への情報提供の効率化を提案し、マーケティングソリューションを展開していく計画です。地域課題の解決や観光の魅力向上を目指し、DX推進に貢献することを目指しています。
このようにNTTドコモビジネスとピクシーダストテクノロジーズが実施するリアルタイム翻訳の導入は、地域の観光業に新しい風を吹き込むことが期待されています。多文化共生の時代において、観光客と地域がよりつながるための一歩となるでしょう。