建設業界で熱くなる心のリーダーシップ
建設業界は、現在、様々な課題に直面しています。その中でも、人手不足や熟練作業員の減少、技術継承の停滞が特に深刻です。そんな中、35歳の現場監督・山地和馬氏が、新たな風を吹き込みつつあります。「名もなき志を可視化する」というテーマのもと、YouTubeのドキュメンタリーチャンネル「SisiDen」が発表した新作『僕らはここで熱くなる』では、山地氏の情熱とリーダーシップが描かれています。
現場の厳しい現実
日本の建設業界では、現場監督・所長の70%が人手不足を深刻に感じており、熟練技術者の高齢化も進行しています。現在、55歳以上の技術者が35.9%を占める一方で、29歳以下の若手技術者はわずか11.7%と、若い世代の育成が急務とされています。また、重層的な下請け構造やアナログな情報の伝達方法が残る中、現場監督は的確な情報をタイムリーに持つことが難しいという課題も抱えています。
山地氏のアプローチ
そのような現場で、山地氏は「人を信じ、対話でチームを導く力」を発揮しています。彼は、「効率だけでは現場は動かない。しかし、人を単なる駒のように扱えば、誰もついてこない」と語るように、職人と真摯に向き合います。プロとしての厳しさと人間としての温かさのバランスを取りながら、現場でのコミュニケーションを大切にしています。
撮影の裏側
本作の制作にあたり、シシクリエイションの代表・塚原芳子は、進和建設工業の多くの社員にプレ取材を実施。その中で、山地氏の特異なコミュニケーション能力と、職人たちへの敬意が強く表れた姿勢に感銘を受けたと言います。「効率やデータでは測れない、人の熱を感じました。AIが進化しても、人の心でチームを動かす力はなくならない」との思いを込めて映像を制作しました。
部署を超えた対話
また、撮影中には山地氏とバックオフィスの伊藤氏との対話も収録され、普段接点の少ない二人が率直に意見を交わす場面が作品の重要なシーンとなりました。対話の中で、お互いの業務理解が深まり、新しい気づきが生まれる貴重な機会でした。このような組織内のコミュニケーションの可視化が、ドキュメンタリーの持つ価値だと塚原は語ります。
地域貢献への意欲
さらに、進和建設工業が地域の子どもたちを招いて実施する「ZOOプロジェクト」の様子も触れられています。この取り組みは、建設現場を「動物園」に見立て、子どもたちが重機や建設業を体験するイベントです。20代の若手社員たちが「もっと誇れる業界にしたい」と語る姿も描かれ、業界の未来への希望を感じさせます。
人間力の本質
山地氏の言葉と行動が示すのは、建設現場が「人と人との信頼」で動くというシンプルな真実です。ドキュメンタリーを通じて、現場監督という職業を超えた「人を動かす人」の物語が展開されています。
作品情報
- - タイトル:僕らはここで熱くなる
- - 公開日:2025年10月8日
- - 配信チャンネル:YouTube「SisiDen(シシデン)」
- - URL: https://youtu.be/YjpAWuazh-k
- - 主人公:進和建設工業(株)現場監督 山地和馬
- - 制作:株式会社シシクリエイション
- - 協力:進和建設工業(株)
- - 撮影地:大阪府堺市 ほか
- - 動画尺:約10分
最後に
塚原芳子氏は、なおも「私たちは、志のモノガタリを密着という形で紡いでいきたい」と語り、映像が次世代を担う若者たちにポジティブな影響を与えることを願っています。また、YouTubeドキュメンタリーメディア「SisiDen」では、働く大人たちのリアルな志を発信し、視聴者が自分の生き方を見つめ直すきっかけを提供しています。