近畿大学がデジタルアーカイブをリニューアル
近畿大学中央図書館は、貴重な資料をデジタルで公開する「近畿大学貴重資料デジタルアーカイブ」をリニューアルし、2025年4月1日から新たに公開することを決定しました。このデジタルアーカイブには、近畿大学所蔵の貴重資料1,687点が含まれており、一般の方々がオンラインで簡単にアクセスできるようになります。
新たに加わる資料とテーマ
今回のリニューアルでは、139点の新資料が追加され、特に注目されるのはナポレオンの『エジプト誌』やゲスナーの『動物誌』、さらには『平家物語図会』など、歴史的かつ文化的に意味のある作品です。また、新たなコンテンツとして7つのテーマに基づいて資料が紹介されることになります。具体的には「西洋の初期印刷本~インキュナブラ~」や「おおさかむかし案内」など、さまざまな視点から資料を楽しむことができます。
デジタルアーカイブの利便性
本アーカイブは、TRC-ADEAC株式会社が開発したデジタルプラットフォーム「ADEAC」を使用して構築されており、全国の159の大学や公共図書館が所蔵する資料を横断的に検索・利用できるようになります。これにより、ユーザーは、近畿大学の資料だけでなく、他機関の貴重な資料と対比しながら閲覧することも可能です。
さらに、国立国会図書館が提供する「NDLサーチ」や「JAPAN SEARCH」とも連携しているため、外部データベースを通じての情報確認も簡単に行えるようになります。この利便性が高まることで、研究や教育活動に対する支援がさらに強化されることが期待されています。
貴重資料の中身を詳しく見る
近畿大学のアーカイブに含まれる貴重資料のいくつかを見てみましょう。たとえば、ナポレオンがエジプト遠征時に持ち帰った『エジプト誌』は、古代エジプト学の成り立ちに大きな影響を与えた重要な資料です。この書籍は、古代の歴史や地元の博物館にとって、今もなお価値の高い情報源となっています。
また、ゲスナーが編纂した『動物誌』には、多彩な動植物の絵が掲載されており、特にデューラーの作品を基にしたインドサイの絵は美術史においても重要視されています。さらに、『平家物語図会』は、平安時代の歴史を描いた絵入りの書物であり、挿絵を手がけた有坂蹄斎の技術が注目されています。
文化資産の継承とデジタル化の重要性
近畿大学中央図書館は、文化遺産を守り、次世代に伝えていくことを重要なミッションとしています。本デジタルアーカイブは、それに寄与する重要なツールとして位置付けられています。デジタルコンテンツを充実させることで、さらなる文化的資産の有効活用が進むでしょう。
今後も、貴重な資料の追加公開や内容の充実が進められ、利用者にとって有益な情報源としての役割を果たしていくことでしょう。
近畿大学貴重資料デジタルアーカイブの詳細
このリニューアルにより、近畿大学所蔵の貴重な文献が多くの人々にとってアクセス可能となり、さらなる文化発展の一助となることが期待されています。