DAS LAB構想、滋賀県から未来を共創
トヨタ・コニック株式会社(TQ社)が、オーストリアの「アルスエレクトロニカ・フューチャーラボ」と共に地域未来を共に描く「DAS LAB(ダス・ラボ)」を立ち上げることが発表されました。この新たな試みは、地域の企業、大学、行政、住民が参加し、未来にふさわしい姿を共創することを目的としています。
「FUTUREs」を形にする取り組み
DAS LABは、単なる横展開ではなく、地域固有の声を反映しながら「その土地だからこそ選び取れる未来」を描くことを重視しています。初めての活動となる滋賀県では、2025年7月よりプロジェクトが始まります。TQ社はこの3年間、現地のフィールドワークを通じて得た知見を土台に「データ アート&サイエンス」を活用し、地域の自然、文化、生活を未来へつなげる試みを行います。
この取り組みは全国展開が可能なモデルとして設計されており、地域特有の課題に対する解決策を生み出すことを目指します。
滋賀の「ウォーター・セントリック」ビジョン
滋賀でのDAS LABの活動では、「ウォーター・セントリック」というビジョンを掲げ、地域の水資源である琵琶湖を核にした様々な取り組みが進められます。既に高島、長浜、米原、大津、彦根の地域で、住民や企業、大学の連携を通じてデータサイエンスやアートを用いた社会実験が行われています。
「未来を共に描く」というDASのアプローチは、地域のビジョンをデータにより可視化し、理解を深め合いながら共感を生むことを志向しています。最先端の技術を取り入れ、地域と共に持続可能な未来を追求していく意思が根底にあります。
びわ湖デジタルレイク構想
DAS LABでは、新たに「びわ湖デジタルレイク構想」を進め、環境データを収集し、それをオープンデータとして共有する取り組みも行われています。この構想は、琵琶湖の水質情報や生物多様性などをはじめ、様々なデータを収集し、誰もが情報にアクセスできる環境を構築します。このようにして、地域への関心を高め、皆が琵琶湖の水を守る行動に結びつけていくことができます。
DAS LABを通じた地域の幸福な未来
DAS LABは、地域が自分たちにとって適切な未来を進むための「しあわせのモビリティ」となることを目指します。地域の声をきちんと反映しつつ、大学や企業の力を結集させ、新たな価値創造を図ります。アルスエレクトロニカ・フューチャーラボの小川秀明氏は、この取り組みを通じて新たな価値が地域社会に循環する可能性を期待しています。
今後の展開
DAS LABはこれからも滋賀を拠点に様々なプロジェクトを展開します。具体的には、地域資源の体験を促進する「DAS TRAIL」や「信じられる米」づくり、「水のひみつ調査隊」といった市民科学プログラムが予定されています。また2025年にはオーストリアでの展示発表も計画されており、全国にこの活動を拡大していく動きがあります。
DAS LABは、地域共創の新たなモデルとして、未来へのアプローチを切り拓きます。そのシナジーが日本の地域経済に新たな価値をもたらすことが期待されます。