Demo Dayでの挑戦
2025年6月24日、大阪で特別なイベント「J-StarX HealthTech Gateway Demo Day」が開催されました。これは、アジア太平洋地域のスタートアップに対する支援プログラムの集大成とも言える重要な日です。主催は、メドテック アクチュエーター合同会社(MTAC)と独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)。このプログラムは、医療技術やヘルスケアに特化したスタートアップの成長を後押しすることを目的としており、多くの期待が寄せられています。
Demo Dayは、MTACのCEO Prof. Buzz Palmerによるオープニング挨拶でスタートしました。その後は、JETRO大阪本部の庄秀輝本部長が挨拶し、参加スタートアップの事例を交えたパネルディスカッションが展開されました。参加者は約150名、さらにはオンラインでも多くの投資家や関心を寄せる人々が参加していました。10社のスタートアップがそれぞれ3分間のピッチを行い、その後、製品デモを披露。現地の雰囲気は熱気に包まれていました。
国内外でのスタートアップ支援
MTACは、2018年に豪メルボルンに設立された非営利の医療系アクセラレーターです。本社は大阪市北区にあり、シンガポールを含む6カ国でスタートアップへの支援を展開しています。これまでに、多数のユニコーン企業を背後に持つスタートアップを育ててきた実績があります。医療系スタートアップは、他の業種に比べて研究開発から製品発売までの流れが非常に厳格で時間がかかるため、特に支援が重要となります。
今回のDemo Dayは、約9か月間にわたるアクセラレーションプログラムの総まとめ。参加者は、医療業界の複雑さを理解するための講義や、ピッチのスキル向上に注力してきました。特に、プログラムでは市場進出戦略、クリニカルバリデーションの重要性、医療規制の理解などに特化したカリキュラムが組まれており、実地での経験も大切にされています。
プログラム内容の詳細
本プログラムでは、4か月にわたり集中講義が行われました。講師には、Prof. Buzz PalmerとCSO(最高戦略責任者)のProf. Vishaal Kishoreが務め、各スタートアップに直接指導を行いました。また、メンターとして150人以上が参加する個別メンタリングセッションも設けられ、具体的な課題解決を支援しました。
プログラムのハイライトは、オーストラリアのシドニーまたはオランダのアムステルダムへの1週間の渡航プログラム。現地での投資家やビジネスパートナーとのミーティングを通じて、国際的なビジネスチャンスを拡大しました。特に、シドニーでは現地の産業貿易大臣にスタートアップの技術を直接紹介する機会を得るなど、日本の医療技術を世界にアピールする貴重な体験となりました。
未来医療推進機構との連携
また、Demo Dayの中では、一般財団法人未来医療推進機構との包括連携協定の締結も発表されました。この協定は、再生医療をはじめとする未来医療の産業化を目指すもので、今後の共同イベント開催や技術移転、スタートアップ支援の推進に向けた具体的な取り組みが期待されます。
このような取り組みにより、大阪・関西地域が世界のヘルスケアにおいて重要なプラットフォームとなることが目指されています。これからのMTACの活動に注目が集まる中、日本から新たな医療のユニコーンスタートアップが生まれることが期待されます。