医療的ケア児支援法施行から2年、利用者調査結果を発表

医療的ケア児支援法施行から2年、ソイナースが利用者調査を実施

2021年に施行された医療的ケア児支援法。これにより医療的ケア児とその家族への支援が強化され、各自治体が新たなサービスや予算を展開する流れが生まれました。特に東京都では、看護サービス「ソイナース」が様々な取り組みを行い、現在も地域の支援と連携を密にしながら進めています。

ユーザー調査の実施

医療的ケア児支援法の施行から約2年が経った2023年9月18日、ソイナースは利用者に対し、地域の支援状況や医療的ケアに関する実情を伺うための調査を実施しました。この調査により、利用者の現状を把握し、今後のサービス向上に繋げることを目指しています。

調査結果の概要

1. 支援状況の評価
調査結果によると、施行前と比較して支援状況が改善したと回答した方は約4割。具体的には、「良くなった」と「やや良くなった」と応えた人が43.8%に上りました。法律が施行されたことにより、行政への要望もしやすくなったとのコメントも寄せられています。しかし、一方では「実際の受け入れ場所は増えていない」などの課題も浮き彫りになりました。

2. 地域の支援についての満足度
利用者が地域の支援状況や制度について「満足している」または「やや満足している」と答えたのは56.3%でしたが、書類や予約の複雑さが課題として指摘されました。

3. ケアの時間
自宅での医療的ケア児のケアに「7時間以上」関与していると回答した家庭は半数以上でした。中には9時間以上のケアが必要とする家庭もあり、家族の負担が重いことが伺えます。

4. 睡眠時間の状況
調査対象者の31.2%が1日あたりの睡眠時間が「5時間未満」と回答。これは成人の平均睡眠時間を下回る数字で、家族の疲労が大きいことを示しています。

5. 望む生活の実態
最も多くの回答を得たのは「家族と外出や旅行をしたい」というもので、65.6%が希望しています。特に「ディズニーランドに行きたい」など、家庭での楽しい思い出を求める声が寄せられました。

今後の取り組みとお知らせ

ソイナースはこの調査結果を元に、自治体や利用者に対してより良い支援を提供できるよう努めてまいります。特に、利用者の希望に応える形で、看護師が家庭に訪問し支援する体験を強化していく方針です。さらに、人気ホテルとのコラボレーション企画を用意し、思い出作りのサポートを実施予定です。

このような取り組みを通じて、医療的ケア児とその家族が少しでも安心して生活できる環境作りに貢献したいと考えています。