東京消防庁とクリエイターズネクストの連携
東京消防庁は、救急出場件数や相談件数が全国的に増加する中、効率的な救急隊の運営を実現するため、株式会社クリエイターズネクストとの連携協定を締結しました。これにより、AIによる救急需要予測の実証検証を行い、救命率や隊の運用効率を高めることを目指します。
救急需要の現状
最近の統計によれば、令和5年には日本全体の救急出場件数が過去最多を記録しました。この傾向は東京においても同様で、救急隊が現場に到着する際の時間が長くなる傾向があります。届出者の命を救うためには、救急隊が迅速に現場に到着し、必要な処置を行うことが最も重要です。そのためには、救急隊の運用を効率化し、通報現場への到着時間を短縮する必要があるのです。
連携の目的の背景
この協定締結に至ったのは東京消防庁が民間企業との協力を求めた「INNOVATION PROJECT」に株式会社クリエイターズネクストが応募し、救急需要予測による救命率の向上に資すると評価されるためです。協定の期間は2024年11月22日から2025年3月31日までとなっています。
救急需要予測AIの仕組み
新しく導入される救急需要予測AIは、過去の出動データや応動実績データを基に学習し、自動でデータを分析して評価を行います。このようにして、AIはその精度を常に向上させ、より正確な予測が可能になる見込みです。これにより、日別や時間帯、地域による救急需要の把握が可能となり、的確な人員配置やリソース配分に繋がることが期待されます。
効率的なリソース配分
このAI技術を活用することで、救急業務において人員や車両の配置を最適化します。データを分析することで、需要のピークを見極め、その情報を基に人的ないし物理的資源の運用を計画することができます。これが実現すれば、結果としてコストの削減にも寄与することでしょう。
AGIとANIの違い
株式会社クリエイターズネクストが開発した汎用人工知能(AGI)は、従来型の特化型人工知能(ANI)とは異なり、多くの課題に対して統合的なアプローチを取ることが可能です。これにより、さまざまな分野の学習を統合的に行い、高精度なAI技術が実現されるる良い機会となります。
クリエイターズネクストの概要
株式会社クリエイターズネクストは、2004年に設立され、独自の特許技術を活用したAI関連事業を展開しています。ゲームの企画や開発、健康増進アプリなど、多岐にわたる実績が評価されています。最近、代表の窪田望氏は「JAPAN DX Player AWARD 2024」で産業部門1位を受賞し、今後の成長が期待されます。
この新しい取り組みが、東京都の救急サービスにおいて如何に役立つか、大いに期待が寄せられています。