コクヨデザインアワード2025の結果発表
大阪に本社を持つコクヨ株式会社は、2025年に開催される『コクヨデザインアワード2025』にて、特に優れたデザイン作品を選出するための最終審査を実施しました。この国際的なプロダクトデザインコンペティションは、才能あふれるデザイナーと共創を目指すイベントで、今年のテーマは「prototype」となっています。
作品募集の状況
2024年の7月26日から10月9日まで、国内外61か国から合計1,448点の応募がありました。その内訳は、716点が日本から、732点が海外からの作品です。これらの作品は、昨年11月の二次審査を経て選ばれた9作品が最終審査で発表され、今一度、審査員によって丁寧に評価されました。
グランプリ受賞作品
作品名: NEWRON
一般名称: ペン
この作品は、指先に多くの神経が集中していることに着目し、指先を刺激する形状の突起が設けられたペンです。作業をしながらも脳を活性化させ、創造的なアイデアを生み出す助けとなる「アイデアを生み出すためのペン」を具現化しています。作者は川田敏之氏です。
優秀賞に輝いた3作品
1.
スピニング (栞)
本の中にあるスピンを改良し、様々な可能性を秘めた小さなアイテムへと進化させた作品です。作者は一條遥貴氏。
2.
KAKONET (マグネット)
言葉を強調し、心に印象を残すことを意図したマグネットです。作者は松村佳宙氏。
3.
秘密 (ダイアリー)
日記帳の横線を中心に秘密の言葉を隠す形状を持った作品で、心の深淵を表現しています。作者はweiweichen(Gaowei Liu、Cheng Chen)氏。
授与されたトロフィーと表彰状
受賞者には、今年のテーマ『prototype』に基づいたトロフィーが授与されました。このトロフィーは、未来への方向性を示す複数の矢印が結実した形状で、色泥漿を用いることで複雑な模様を表現しています。ファイナリストには特別な表彰状が贈られ、この表彰状にも『矢印』のデザインがあしらわれています。
コクヨデザインアワードの歴史
コクヨデザインアワードは2002年に始まり、今回で22回目を迎える歴史的なプロダクトデザインのコンペティションです。毎年、社会背景を反映したテーマで作品を募集し、受賞作は製品化されることも多く、これまでに20点以上の製品が市場に出ています。また、デザイナーとコクヨの開発者との共創により、新たなプロダクトを誕生させることもこのアワードの目的です。
審査員の紹介
審査には、アートディレクターの木住野彰悟氏、建築家の田根剛氏、プロダクトデザイナーの田村奈穂氏、クリエイティブディレクターの柳原照弘氏、そしてTAKT PROJECTの吉泉聡氏が参加し、それぞれの専門知識と視点を持ち寄りました。彼らの評価を受けた受賞作品は、今後のデザイン界に新しい風を呼び込むことでしょう。
今回のコクヨデザインアワード2025では、新たな才能の発掘と未来を見据えた創造的なデザインが大いに注目されています。
このデザインコンペティションを通じて、今後も新たなアイデアとプロダクトの進化に期待が寄せられます。