不条理劇の最新作「Pray AI」が世界初上演
近未来の中国を舞台にした2人芝居「Pray AI」が、韓国ソウルでの開催予定の「ワールド2人芝居フェスティバル」にて、11月23日に上演されます。この作品は、不条理劇を代表するフェルナンド・アラバール氏が92歳にして創作した最新作で、演出を務めるのはイ・ジェサン氏。出演するのは、品川区に拠点を置くPrayers Studio代表の渡部朋彦さんと妻鹿有利花さんの2人です。
演劇の魅力とその本質
「Pray AI」は、華やかな舞台装置やアクションとは裏腹に、会話をメインにした静かな劇です。登場人物はAIのフィディオとリルベ。彼らの対話を中心に展開される内容は、観客の想像力を掻き立てるブラックコメディーとして、舞台上の二人の世界観が巧みに描かれています。渡部さんは、「この作品では、観客が無意識で受け取る感情や意図が大切だ」と話し、役者の体を通じて観客と結びつく演技の重要性を強調しています。
彼は、「役を生きる」ことの意味だけでなく、そのための実践的な訓練が如何に演劇には必要不可欠かを語りました。役者だけでなく、演劇を体験する観客も、感情の伝達に大きく関与するのです。彼が心身での理解を深めることへの情熱は、演劇活動だけでなく、教育にも集約されています。
2025年度の演技クラスが始動
Prayers Studioでは、2024年12月1日から来年度のワークショップ受講生を募集します。このクラスは、演技技術の基礎を鍛えることに特化しており、渡部さんと妻鹿さんが直接指導にあたります。受講生が「役を生きる」演技力を養うことを目指し、実践的なトレーニングが行われます。
応募資格は18歳以上の男女で、経験は問いません。興味のある方は、情報にアクセスして応募してください。限定12名の枠での募集となっているため、関心がある方は早めの申し込みを推奨します。
Prayers Studioの活動成果
Prayers Studioは、今回の韓国公演のみならず、昨年の映画出演メンバーが国際映画祭で受賞するなど、多方面で評価を得ています。最近の公演「The Cripple of Inishmaan」も連日満席を記録し、さらなる新作に向けた準備も進行中です。アラバールの「Pray AI」を通じて、演劇の可能性を新たに感じるこの機会にぜひ注目したいです。