フォーミュラEプレシーズンテストがマドリードにて開催
ABB FIAフォーミュラE世界選手権は、2023年12月にサンパウロで開幕するシーズン11に向けて、11月5日から8日までの4日間、マドリードのハラマ・サーキットにてプレシーズンテストを実施しました。これにより、11チームがマシンの最終調整のため集結しましたが、注目すべきは、FIA選手権史上初の女性ドライバーのみによるテストセッションが行われることです。これにより、モータースポーツ界のダイバーシティとインクルージョンに対するフォーミュラEのコミットメントが示されました。
バレンシアの大規模洪水の影響
プレシーズンテストは本来、スペイン・バレンシアで開催される予定でしたが、バレンシアでは大規模な洪水が発生し、バレンシアの復旧と被災地支援が優先されることになりました。この背景を受け、フォーミュラEはハラマ・サーキットへの変更を決定しました。フォーミュラEのチーフ・チャンピオンシップ・オフィサーであるアルベルト・ロンゴ氏は、テスト開催への感謝の意を示しつつ、バレンシアのコミュニティへの支援も約束しました。
新型マシン「GEN3 Evo」の登場
プレシーズンテストでは、最新のレーシングカーである「GEN3 Evo」が初めて公式にテストに登場しました。このマシンは0-60 mph(約0-96.5 km/h)加速をわずか1.82秒で達成し、加速性能では現行のF1マシンを30%も上回る優れた性能を誇っています。この新たなモデルは、特に効率性と持続可能性に注力して設計されており、95%以上の電気モーター効率を実現している点が特長です。
女性ドライバーとしての挑戦
特に注目すべきは、11月8日に予定されている女性ドライバーのみのテストセッションです。日本のドライバー、小山美姫選手が選抜され、彼女の活躍は他の女性ドライバーにも希望となるでしょう。小山選手は過去に男女混合のシングルシーターFIA選手権で優勝した初の女性レーサーであり、今後のレース界でのロールモデルとして期待されています。
バレンシア支援の活動
フォーミュラEは、バレンシアに対して50000ユーロの寄付を行い、地域の復興に向けた支援活動を行います。寄付金を募るための「GoFundMeページ」も開設され、ボランティア支援やシンボル掲出を通じて、ファンやメディアに対し被災地支援を呼びかけています。
シーズン11の期待
今回のプレシーズンテストは、シーズン11の開幕に向けた重要なステップであり、観客からは新たな技術革新とともにスリリングなレース展開が期待されています。マドリードで行われる検証を経て、サンパウロでのシーズン開幕に備えた準備が整います。フォーミュラEは今後も進化し続け、持続可能な未来に向けた挑戦を続けていくでしょう。
このプレシーズンテストは、競技だけでなく、社会への意識を高める機会ともなりました。これからのフォーミュラEの動向に耳を傾けていきましょう。