夏休みが最終週を迎え、宿題に追われる子どもたちの姿は、かつての自分を思い出させるものです。しかし、あの頃の「ギリギリ癖」は多くの大人にとっても変わらず存在しているようです。株式会社ミズカラ(東京都千代田区、代表取締役 山宮健太朗)が実施した調査によると、ビジネスパーソンの多くが会議資料をギリギリに準備してしまう傾向が明らかになりました。
この調査は25歳から59歳の既婚男女500人を対象に行われ、「夏休みの宿題とビジネス書類の着手タイミングの相関」に焦点を当てました。その結果、学生時代に宿題を最終週に駆け込んで片付けるタイプの人は、社会人になっても会議の準備をギリギリにする頻度が圧倒的に高いことがわかりました。数値では、会議前にギリギリで準備をする割合は、計画的に取り組む人の8.3倍もありました(23.3% vs 2.8%)。
このデータから、子どもたちの夏休みの宿題を急いでやっている姿を横目に見ている大人たちも、実は同じような問題を抱えていることがわかります。果たしてこの「ギリギリ癖」は、いつになったら克服できるのでしょうか?
調査の別の観点で、時間配分のクセを改善しようと試みたことがある人を尋ねたところ、成功したと回答したのはわずか21.2%でした。残りの8割は、いまだに時間配分の悪いクセを直せていないことが示されています。「人は変われない」との現実に目を向ける必要があるかもしれません。
では、どうしてこの2割の人たちは時間配分を改善できたのでしょうか?調査結果からは、意志の強さが一因であることが浮かび上がっています。改善成功者は、自分を変えるために強い決意を持って行動しています。ただし、意志の力だけではなく、彼らは「コーチやメンター」の助けを得ることも特徴的です。周囲の助けを求めるのではなく、自ら助けを選ぶ姿勢が彼らを成功に導いています。
一方で改善に失敗している人たちは、身近な人に頼りがちで、時間管理ツールの利用が多い傾向があります。ただ単にツールを使うことで解決した気になってしまい、実際の行動に結びつかないという傾向が見えました。
卒業とともに「宿題」がなくなることに安堵を感じる社会人ですが、実際には学生時代に積み残した「悪癖」がむしろ続いているのが現実です。尾崎豊が唱えたように、卒業しても生活はそうそう変わるものではありません。自分を変えるためには、やはりいつかのタイミングで「決断」と具体的な行動が必要不可欠です。
結果として、これが真の「宿題」であり、人は意志と具体策をもって向き合う時に初めて変わるチャンスが生まれます。自分の悪癖と対峙した時こそが、本当の意味での大人としての卒業に向けた第一歩になるのではないでしょうか。世代を超えた時間配分の悪癖と向き合うことで、子どもたちは未来の「シゴデキの大人」へと成長する道を歩むことができるかもしれません。