30年ぶりの地質図刊行が地域の未来を拓く
2023年1月26日、国立研究開発法人産業技術総合研究所が、茨城県北部の地質調査を基にした5万分の1地質図幅「大子」を刊行しました。この新たな地質図は、茨城県を主な対象にしており、なんと30年の時を経て発行されたものです。地質図を通じて、災害対策や地域の振興が期待されています。
棚倉断層帯:地域の地質学的重要性
本地質図では、日本有数の大断層である棚倉断層帯が重要な焦点にされています。この断層帯は、茨城県常陸太田市から福島県東白河郡棚倉町にかけて広がっており、地質学的には西南日本と東北日本の境界を示す重要なポイントです。地質図によって、この断層帯に関する詳細な情報が明示され、運動履歴やそれに伴う大地の隆起沈降運動などの理解が深まります。
規模と内容:本図幅の詳細
本図幅の作成には約300日以上の地表地質調査が含まれ、岩石の化学分析や微化石の抽出、年代測定の結果も反映されています。具体的には、足尾帯ジュラ系や阿武隈帯の白亜系、さらに棚倉断層帯を境に新第三系の分布など、多様な地質情報が網羅されています。これらの情報は、防災や減災のための基盤となることが期待されています。
特に、棚倉断層帯に関連する地すべりや他の地質災害に関する情報も収集され、地域の安全対策に役立つことでしょう。また、この地域には袋田の滝や竜神峡・竜神大吊橋などの観光名所も多く、観光振興にも寄与することが期待されます。
新地質図の活用法
新たに発行された地質図は、学術研究のみならず地域振興にも広く活用されるべきです。観光資源の理解促進だけでなく、地質災害軽減に資する情報としても重要な役割を果たします。地質の知識を深めることで、理解が進み、地域の安全性や活力を向上させることができるでしょう。
取得方法と今後の展望
本図幅は、2023年1月26日より産総研地質調査総合センターのウェブサイトからダウンロードでき、訪問者にはその利用を促進するための詳細な情報が提供されます。さらに、産総研が提携する各種委託販売先からの購入も可能です。これにより、研究者や地域住民は、地質図をもとに地域の理解を深めることができます。
今後、さらなる地質情報の収集や更新も進められることでしょう。地質図は、単なる地図の一部に過ぎないのではなく、未来を見据えた地域の生命線として機能することが期待されています。