アリソンAT搭載パッカー車の長寿命の秘訣
青森県十和田市にある有限会社十和田環境サービスでは、アリソン2000シリーズ(TM)を搭載したパッカー車が活躍しています。この車両は導入から14年間、総走行距離が38万キロを超えていますが、トランスミッションの故障は一度もなく、その快適な走行性能が評価されています。これによって、メンテナンスコストの低減と業務効率の向上が実現されています。
運行の実態とアリソンATの特長
十和田環境サービスでは、事業系の廃棄物を1日に30~40件回収する業務を行っています。この業務は、頻繁な発進や停止を繰り返すため、車両にとっては大きな負担です。しかし、アリソンAT搭載車はその特性により、トランスミッショントラブルを未然に防ぎ、通常のメンテナンスはフィルターやトランスミッションフルードの交換程度で済みます。これらの理由から、マニュアル車両によく見られるクラッチ交換といった手間がなくなり、メンテナンスコストの大幅な削減につながっています。
PTO機能の自動化
アリソンAT搭載車のPTO機能は非常に便利で、マニュアルトランスミッションでは必要だったPTOスイッチの操作が不要です。車両が停車中にシフトセレクターをPレンジまたはニュートラルに入れることでPTOが自動的にオフになり、次の作業に迅速に移行できるようになっています。これにより、作業の効率性が大幅に向上しました。ただし、作業中の安全を確保するため、停車時は必ずPレンジに入れるよう推奨されています。
メンテナンスと信頼関係の構築
有限会社十和田環境サービスの竹内慎也取締役は、「アリソンAT車の導入は、ドライバーにとっても経営にとっても大きなメリットがある」と述べています。トランスミッション故障のリスクが低いため、メンテナンス時間を削減し、生産性が向上します。また、アリソンのサービスディーラーである株式会社東奥ヂーゼルが、定期的なメンテナンスや車両の状態を確認するために連絡をくれるおかげで、不測のトラブルを未然に防ぐことができています。
2024年問題に対応する運輸業界
ドライバー不足が深刻化する中、運輸業界では2024年問題への対応が求められています。2026年4月からは中型トラックにAT限定免許が認められることが発表されています。これに伴い、商用車メーカーもAT搭載車のラインアップを増やし、運輸事業者にとってもAT車の導入が加速する見込みです。
竹内取締役は、「新入社員の育成に要する期間が短縮され、直ぐに戦力として活用できるのがAT搭載車の魅力。運営側としても、AT限定免許を持つドライバーを迎える際の強力なアピールポイントになります」と話しています。
アリソントランスミッションの信頼性
アリソントランスミッション(NYSE:ALSN)は、中・大型商用車や米軍用車向けのオートマチックトランスミッション市場で世界的に知られた企業です。アリソンは、1915年にインディアナ州で創業以来、世界150以上の国でビジネスを展開し、多様な車両用途に対応する豊富なエンジニアリングリソースを持っています。アリソンの製品は、無事故の実績によってその信頼性を証明し続けています。
アリソンAT搭載の車両が今後も普及し、運輸業界の課題解決に寄与することを期待しています。