エストニアのタリンに本社を構えるCarbontribe Labs OÜは、最近、米国の著名なスタートアップ支援プログラムであるTechstarsが運営する「Techstars Sustainability Paris」プログラムに採択されました。このプログラムは、気候変動や環境問題の解決策を提供する革新的なスタートアップに特化しています。さらに、Carbontribe Labsはこのプログラムを通じてTechstarsから資金調達も成功させ、日本人創業チームとして初めての参加となりました。
Carbontribe Labsとは
Carbontribe Labsは、AIやWeb3技術を駆使し、カーボンクレジット市場の改革に取り組むスタートアップです。彼らが開発した技術は、従来のカーボンクレジットに代わる全く新しいデジタル資産の生成を可能にします。実際、従来のカーボンクレジットはその多くが未開拓であり、資源を消費するだけの構造を変える必要があります。
経済の逆転を目指す
Carbontribe Labsは、農業や森林所有者が抱える収益化の課題に着目しています。インドネシアやフィリピン、ベトナムの農家やNGOとのインタビューから見えてきた「いかにして収益化するか」という問いに応える形で、彼らは環境活動をデジタル資産として取引可能な状態に変える新たな経済の創出を目指しています。
技術の活用
具体的には、同社はコンピュータービジョンとブロックチェーン技術を駆使して、森林の変化を自動的に検知し、そのデータを収集してWeb3ベースの分散型サーバーに保存します。その結果、温室効果ガスの削減を証明する「Carbon Removal Digital Assets(炭素削減デジタル資産)」が発行され、こういったプロセスすべてが自動化されています。この仕組みのおかげで、誰でもデータの真偽を確認でき、改ざんのリスクも排除されます。
グリーンウォッシングの防止へ
従来のカーボンクレジット市場が直面している「グリーンウォッシング」の問題に対しても、Carbontribe Labsの技術は解決策を提供します。彼らのデジタル資産は、企業やNGOが行うマングローブ植林活動などの付加価値を、衛星画像解析とAIを活用しオフセット資産として利用することを可能にします。これにより、炭素削減デジタル資産を用いた新しい経済の構築が期待されています。
共同創業者のビジョン
共同創業者の矢野圭一郎氏と加藤佑希氏は、デジタル資産を通じた環境活動の価値を広めることに情熱を注いでいます。彼らのビジョンは、単に環境に配慮した技術を提供するだけではなく、社会全体の経済構造を変え、より持続可能な未来を築くことです。成長著しいCarbontribe Labsが、今後どのようにして環境問題に取り組んでいくのか、注目が集まっています。
まとめ
Carbontribe Labsは、デジタル資産を活用し新たな経済を創出する企業として、サステナビリティの分野でのリーダーシップを目指しています。Techstarsの支援を受けることで、その成長が加速することが期待され、多くの企業やNGOと連携しながら、環境へのインパクトをさらに強めていくことでしょう。今後の動きから目が離せません。