日本の宇宙産業の未来を切り開く「SORAxIO」誕生
2023年10月、宇宙ビジネスを推進する4社が共同で「あらたな宇宙時代の幕」を開けるべく、民間宇宙ステーションに向けた連携体「SORAxIO(ソラクシオ)」を発足させました。この連携には、兼松株式会社、Space BD株式会社、株式会社DigitalBlast、有人宇宙システム株式会社(JAMSS)が参加しています。
背景と目的
近年、世界中で宇宙ビジネスが盛り上がりを見せており、2030年には国際宇宙ステーション(ISS)が退役する予定です。この流れを受け、米国の民間企業を中心に、次世代の民間宇宙ステーションの開発が急速に進んでいます。しかしながら、日本国内では民間企業による宇宙ビジネスの活動が十分とは言えず、このままでは国際的な競争力を失う危険性があります。
そこで、4社は「ALL JAPAN」体制で宇宙環境の利用を促進し、地球低軌道における経済圏の構築を目指すため、SORAxIOを発足させました。この協力体は、宇宙環境の利用をサポートし、新たなビジネスの創出を実現するために様々な活動を行う計画です。
具体的な活動内容
SORAxIOでは、宇宙環境利用のプロモーション活動を共同で行うことに加え、日本企業が国際市場で活躍するために必要な政策の提言を政府機関に対して実施する予定です。この動きにより、日本の宇宙ビジネスをしっかりと推進し、2030年以降の新たな時代への準備を整えることを目指します。
現在、SORAxIOはJAMSSを代表企業として、新規の業務契約を結びました。具体的には、2024年7月10日に公示された「2025年度~2030年度 JEM利用インテグレーション業務」を受託することになったのです。この業務を通じて、ISS以後の時代に向けた知見や経験を蓄積し、未来の宇宙産業に貢献することを計画しています。
企業の声
各参加企業の代表からのコメントも寄せられています。兼松の城所部門長は「宇宙は最後のフロンティアであり、2030年には多様なビジネスの可能性が広がる」と述べ、長年の経験を基にした宇宙利用の拡大を目指す意欲を示しました。また、Space BDの伊藤COOは「商業化が進む宇宙のポテンシャルに期待し、ALL JAPAN体制の構築が重要である」と強調。DigitalBlastの代表である堀口氏は「宇宙環境利用を通じ、次世代のビジネスにつなげるために協力していけることを嬉しく思う」と述べています。
最後に、有人宇宙システムの中村常務は、30年以上にわたり宇宙プログラムに関わってきた技術力を活かし、以降の民間宇宙ステーション時代に向けた活動への強い期待感を表明しています。
2023年は、日本の宇宙ビジネスが新たな段階へと進化を遂げる年となることでしょう。SORAxIOの活動が、業界の発展とともに未来の宇宙経済圏の礎となることを期待したいところです。