ブラザーグループの新たな挑戦！中期戦略「CS B2027」の全貌

ブラザー工業の中期戦略「CS B2027」が始動

ブラザー工業株式会社が新たに策定した中期戦略「CS B2027」は、2025年度から2027年度までの3年間にわたり、企業の成長を加速することを目指しています。この戦略は、ブラザーグループが2030年度に達成を予定しているビジョン「At your side 2030」を実現するための基盤となるものです。ここでは、その全貌と具体的な施策について詳しく解説します。

1. 未来を見据えたビジョン

ブラザーグループは、「At your side 2030」というビジョンの下、世界中の様々な人々の生産性や創造性を支えることを目指しています。このビジョンは、社会全体の発展と地球の未来に対して貢献することを重要視しており、持続可能な成長を志向しています。CS B2027はこのビジョンを実現するために、「挑む。未来へ、大胆に」というテーマを掲げ、長期的な企業価値の向上に寄与すべく設計されています。

2. 売上収益1兆円と営業利益1,000億円の目標

CS B2027では、明確な数値目標も設定されています。具体的には、2027年度に売上収益1兆円、営業利益1,000億円、さらにはROE目標10%を掲げています。加えて、産業用領域からの売上比率を40%にすることも目標にしています。これらの数値目標は、ブラザーグループの競争力を強化するための指針となります。

3. 重点戦略の4つの柱

CS B2027では、以下の4つのテーマに分類した事業戦略を構築しています。

- 成長事業：産業機器やインダストリアル・プリンティング事業など、新たな成長を見込むセクターと業務用ラベリングを含め、大幅な成長を目指します。これにはM&Aなども積極的に取り入れ、非連続成長を狙います。

- コア事業：業務用ラベリング以外のP&S事業は、利益を最大化し全社的な収益基盤を支えることを目指します。ここでは市場ポジションの強化に向けた投資が行われます。

- 収益性追求事業：パーソナル＆ホーム事業、ニッセイ事業は、売上と利益のバランスを考慮しつつ、収益力を高めることを狙います。営業利益率を重点指標として見直しを進めます。

- 収益性改革事業：工業用ミシン事業やネットワーク＆コンテンツ事業では、着実な利益を生むための構造改革を行い、安定した利益創出を目指す姿勢が示されています。

4. 大規模な成長投資と株主還元

ブラザーグループは、CS B2027の実現に向けて、3年間で2,000億円規模の成長投資を行うことを決定しています。この投資の中心はM&A・アライアンスによって、産業用領域のさらなる成長を図ります。また、株主還元に関しては、600億円の自己株式取得を含む1,400億円の還元を目指す意向が示されています。