帝国繊維、AVIの株主提案が過去最大の支持を獲得
アセット・バリュー・インベスターズが提案した株主への配当
2020年4月1日、ロンドンを拠点とするアセット・バリュー・インベスターズ(AVI)は、帝国繊維株式会社の株主総会で発表した自身の株主提案が、過去最高の支持を集めたことを報告しました。特に、1株あたり76円の配当提案は、過去の提案と比べても圧倒的な賛同を得ており、24.7%の株主が支持しています。
増配提案への期待と今後の課題
AVIによる提案は、日本の株主にとって非常に意味のあるもので、長年の投資経験とともに、企業の長期的な価値向上を目指しています。しかし、この背景には、帝国繊維の資本構成に対する根本的な見直しが必要との声もあります。AVIのCEOジョー・バウエルンフロイント氏は、一般株主が企業のバランスシートの健全性を求めているとしています。
特に、現在の資産の約64%が現金および投資有価証券で占められており、さらに32%が不動産会社の株式によって占められている状況は、企業の基本業務とは無関係です。彼は、経営陣に対する圧力が強まっていることを受け、企業価値を損なう資本構成を早急に見直す必要があると強調しました。
政策保有と経営陣の立場
一方で、帝国繊維が提案したポイズン・ピル(買収防衛策)に対し、21.9%の株主が反対票を投じる結果となりました。この提案が現経営陣の地位を守るためのものであるとの見方が強まっています。特に、株主や議決権行使助言会社であるインスティテューショナル・シェアホールダー・サービシーズ(ISS)からは、白岩強社長の経営責任を問う意見が数多く出ています。
今後の展望
AVIは、長期的な株主としての立場を維持し、帝国繊維の経営陣との対話を継続する意向を表明しています。これは、AVIの投資家が求めている企業価値の改善を目指すものであり、さらなる株主の賛同を得ていくことが期待されています。
この株主提案がどのように進展するのか、また帝国繊維の経営陣がどのように対応するのか、今後の動向に大きな注目が集まるでしょう。
会社情報
- 会社名
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Asset Value Investors Limited
- 住所
- 25 Bury Street, St James'sLondon SW1Y 6AL
- 電話番号
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