愛知県環境調査センターがASHRAE技術賞を受賞
2023年、愛知県名古屋市に位置する愛知県環境調査センターと愛知県衛生研究所が、ASHRAE Technology Award in the II: Other Institutional - EBCx Categoryにおいて、見事1位を獲得しました。この栄誉ある賞は、居住者の快適性や省エネルギー技術に対する卓越した業績を表彰するものです。
このプロジェクトは株式会社久米設計が基本設計や性能検証を担当し、大成建設、名古屋大学との共同作業によって実現しました。昨年、帯広厚生病院が同賞を受賞したのに続く、2年連続の快挙です。
ASHRAEとは
ASHRAE(American Society of Heating, Refrigerating and Air-Conditioning Engineers)は、暖房と冷却の分野で活躍する国際的な学会です。約55,000名の会員を有し、最先端の環境技術や省エネルギー戦略の開発に寄与しています。
受賞の背景
愛知県環境調査センター・衛生研究所は「環境首都あいち」の実現を目指し、最先端の省エネルギー技術を融合した建物とされています。建設計画は、ZEB(Nearly ZEB)の達成を目指し、性能検証プロセスを設けることで、実現可能な目標を設定しました。
実際には、建物の運用開始から4年後にnet ZEBを達成し、CO₂排出の大幅削減を実現しました。この成果が評価され、ASHRAEの技術賞受賞につながったのです。
受賞のコメント
ASHRAEで受賞した際、愛知県の代表者は「カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが評価されたことは大変嬉しい」と語り、具体的な取り組みとしてデータ収集や性能向上に尽力したすべての関係者への感謝の意を表しました。
建築概要
- - 名称: 愛知県環境調査センター・愛知県衛生研究所
- - 所在地: 愛知県名古屋市北区辻町字流7-6
- - 建築主: 愛知県
- - 基本設計・実施設計: 久米設計
- - 施工: 大成建設中部支店
- - 延床面積: 8,147.46㎡
- - 階数: 地上4階
- - 竣工: 2020年3月
この施設は、公共施設としては全国トップクラスのZEBの認証を受けており、建物の設計段階でエネルギー消費を85%削減することを実現しました。
環境設備の革新
建物の環境設備では、自然エネルギーを利用した革新的な空調システムを導入。また、人感センサーによる省エネシステムを併用し、快適な室内環境を維持しつつエネルギーの効率的な使用を図っています。
このような建物の設計思想や技術が結集した結果、ASHRAEの国際的な舞台で受賞するまでに至りました。今後もこのような取り組みが他の地域にも広がることが期待されています。
久米設計について
株式会社久米設計は、1932年に設立され、建築設計において豊富な経験を持つ企業です。「豊かさ」をテーマに、地域と人を大切にしたプロジェクトを数多く手がけています。彼らの理念は、持続可能な社会の実現へと繋がる技術とデザインを通じて、より良い未来の創造に寄与することです。
詳細については
久米設計の公式サイトをチェックしてみてください。