不動産広告の“徒歩◯分”表示、6割が誤解している実態とは？

不動産広告の誤解を解消する調査結果

最近、株式会社CHINTAIは、全国の10代から40代の男女771人を対象にした調査を実施し、不動産広告の表現に対する実際の受け止め方について明らかにしました。この調査は、特に「徒歩◯分」や「アクセス良好」といったフレーズが、どのように誤解されているのかに焦点を当てています。

徒歩◯分の公式を理解している？

調査によると、広告に記載されている「徒歩◯分」という表現について、正しい算出方法を理解していると答えた人はわずか36.2%。すなわち、約6割の人が誤った認識を持っているという結果になりました。これは「道路距離80m＝徒歩1分」という明確な基準があるにも関わらず、一般のユーザーの理解が不足していることを示しています。

多くの人が、ナビアプリでの計測や実際に歩いての体感を基に「徒歩◯分」を捉えているとしています。このような理解の不透明さが、生活者と広告の表記との間に大きなズレを生み出しているのです。

距離表現の受け止め方の差

さらに、「すぐそば」「近い」といった距離に関する表現でも、受け手によって感じ方に違いが見られました。調査では、これらの表現は多くの場合5~10分の範囲内で捉えられる傾向が強いことがわかりましたが、施設の種類によってこの認識は変わるようです。

例えば、駅やバス停に関しては56%の人が「徒歩5分以内」を「すぐそば」と感じていました。一方で、自然施設に対しては「徒歩20分以内」が許容されることも多く、日常的に利用する施設ほど短い距離で考えられる傾向が強いことが示されています。

地域による感覚の差

地域の違いも無視できません。関東地方では、10分以内を「徒歩圏」と考える人が74.9%に達し、四国では38.9%に留まるなど、地域差が顕著に現れました。このように、同じ「徒歩圏」でも地域によって印象が大きく異なるのです。

アクセス良好のジレンマ

次に、「アクセス良好」という表現についても調査が行われました。「アクス良好」の基準として、多くの人は単なる移動時間だけでなく、移動のしやすさに重きを置く傾向があることが分かりました。乗り換えの有無や利用する路線の数が多いことなど、移動全体の快適性を求める声が上がっています。

まとめ

この調査結果は、不動産広告における表現の誤解を解消するための大いなる一歩となるでしょう。株式会社CHINTAIは、正確で分かりやすい情報をユーザーに提供するため、広告表現の基準を見直し、今後も取り組んでいく方針を示しています。ユーザーが納得できる情報を得られるよう、企業の透明性が求められる中、我々消費者も広告の受け止め方について再考する必要があるのかもしれません。