愛媛県産の新かんきつ「紅プリンセス」販売開始
愛媛県のかんきつ業界に新たな風が吹き込んでいます。20年の歳月をかけて生まれた「紅プリンセス」が、いよいよ本格販売を開始しました。この新しい品種は、愛媛の名物かんきつ「紅まどんな」と「紅かんぺい」を交配して作られました。
こだわりの「紅コレクション」
「紅プリンセス」は、愛媛県のオリジナルかんきつであり、「紅まどんな」「紅かんぺい」とともに「紅コレクション」としてブランド化されています。特に「紅まどんな」は、愛媛のかんきつの中でも高級品として多くのファンを抱えており、その人気に続くかたちで新たに誕生した「紅プリンセス」にも期待が寄せられています。
特徴と育成の背景
品種名は「愛媛果試第48号」、糖度は12度以上、クエン酸は1.2%未満と高品質です。果実は250g程度で、形状は短卵型。果皮は赤みの強い橙色で剥きやすく、種がないため食べやすいのが特徴です。また、肉質は柔軟で果汁が多く、まさに「紅まどんな」の食感と「甘平」の濃い甘みを併せ持っています。
この品種は愛媛県農林水産研究所みかん研究所が育成したもので、開発段階では西日本豪雨災害により大きな困難がありましたが、幸運にも原母樹は被害を免れ、無事に成長しました。多くの手間と時間がかけられた結果、今年から一般市場への販売が開始される運びとなりました。
知事の強い期待
今年の2月11日、東京都内で行われた発表会では愛媛県の中村知事が「紅プリンセス」をお披露目しました。知事は、紅プリンセスが親品種の良いところを引き継いでいるとし、これをPRすることで愛媛が誇るかんきつの地位を確立したいと強調しました。
また、オンライン直売所「食べチョク」の代表、秋元里奈さんも参加し、試食した感想として「香りが豊かで果汁がたっぷり。感動的なおいしさ」と絶賛しました。多くのメディア関係者やインフルエンサーが集まる中、紅プリンセスの魅力が広がっていく様子が伺えました。
紅プリンセス誕生の道のり
「紅プリンセス」の育成には多くの時間がかかりました。その道のりは以下の通りです:
- - 2005年:紅まどんなと甘平の交配
- - 2008年:温州ミカンに高接ぎ
- - 2010年:初結実
- - 2015年:二次選抜「愛媛果試第48号」として系統名決定
- - 2017年:現地適応性試験開始
- - 2019年:種苗法に基づく品種登録申請
- - 2020年:商標登録
- - 2022年:正式な品種登録
かんきつ王国愛媛の広がり
愛媛県は全国有数のかんきつ生産地として知られています。この地は温暖な気候と豊かな土壌に恵まれ、40種類以上のかんきつが栽培されています。「紅まどんな」や「紅かんぺい」そして「紅プリンセス」の3品種は、その中でも特に注目を集めています。これからも多くの人々に愛されることが期待される「紅コレクション」。愛媛のかんきつの魅力をぜひ味わってみてください!