職場のハラスメントを理解するための研修
ReSowホールディングス株式会社(大阪市)は、2025年5月28日に職場でのハラスメント防止を目的とした研修を行いました。実施の背景には、深刻化するハラスメント問題があり、特にパワーハラスメントの相談件数が急増している現状があります。2020年には約18,000件だった相談も、2023年には約62,000件に達し、約3.4倍に跳ね上がりました。これは社会全体でハラスメントについての理解が不足していることを示唆しています。
この状況を受け、ReSowは「ハラスメントを自分ごととして捉えること」をテーマにし、参加者に対して無意識の加害者になるリスクを理解してもらうことを目指しました。
研修の内容
講師を務めたのは、ReSowホールディングスの経営企画室に所属する音嶋文さんです。彼女は自身の豊富な経験を元に、受講者にハラスメントの正しい理解と予防に向けた意識醸成を図る講義を行いました。
研修内容の具体的なポイントは以下の通りです。
1. ハラスメントの定義と法的背景
ハラスメントの各種定義や関連法規について説明がありました。パワーハラスメントは「労働施策総合推進法」に基づき、セクハラやマタハラは「男女雇用機会均等法」などが適用されることを強調しました。
2. ハラスメント6類型の具体例
文化や職場における具体的な事例を挙げ、身体的攻撃、精神的攻撃、人間関係の切り離し、過大・過小要求、個人の侵害といったハラスメントの類型を視覚的に示しました。
3. 無自覚な言動のリスク
「冗談のつもりで言った言葉」が相手にハラスメントとして受け取られる可能性があることを強調し、自分の言動に対する意識を高める重要性を訴えました。
4. セクハラの2類型
昇進や契約更新を引き換えに性的関係を持とうとする「対価型」と、職場環境を不快にする言動の「環境型」に分け、そのリスクについて詳しく解説しました。
受講者の感想
研修後には受講者から以下のような反応が寄せられました。
- - 「自分の発言や行動を見直すきっかけになった」といった前向きな意見。
- - 「何気ない言葉にも注意が必要だと感じた」と、意識の変化を実感する声。
- - 「加害者になりうるという意識がなかったので、衝撃だった」といった驚きの感想。
今後の取り組み
ReSowホールディングスでは、今回の研修を契機に、今後も定期的なコンプライアンス研修の実施を予定しています。また、相談窓口の周知徹底や、管理職向けのハラスメント対応研修を実施することで、より多角的なアプローチから「誰もが安心して働ける職場環境づくり」を目指しています。これにより、ハラスメントのない職場を実現するための一歩を踏み出すことを目指しています。