野菜摂取促進に向けた取り組み
カゴメ株式会社とゼンショーが共同で実施した実証研究により、外食時の野菜摂取が促進される可能性が示されました。この研究は、2023年11月にファミリーレストラン「ココス」の店舗を舞台に行われました。具体的には、1カ月にわたり、ナッジと呼ばれる方法論と、野菜摂取量を推定できるデバイス「ベジチェック®」を利用して、野菜メニューの注文を増やす取り組みが行われたのです。
背景
外食利用者の野菜摂取量は少ないとの調査結果があり、特に外食時のメニュー選択が健康に与える影響が注目されています。そこで、カゴメとゼンショーは、外食店舗での野菜メニューの選択を促進するための手法を検証することになりました。調査手法には、行動経済学を専攻する竹林正樹先生の監修を受けることで、より効果的な介入が見込まれました。
実証研究の詳細
実験は、首都圏にあるココスの店舗で行い、「ベジチェック®」を設置した店舗(VC店舗)と、さらにナッジ掲示物も設置した店舗(ナッジ店舗)、対照店舗を設けて比較を行いました。ナッジ掲示物には、野菜摂取を促す漫画が掲載された卓上メニューや、床面ステッカー、ポスターが用意され、測定機器と連携して顧客の行動に影響を与える狙いがありました。
実験期間は30日間で、ポスト実験では野菜摂取意識の変化も調査されました。その結果、ナッジを活用し実施した店舗では、休日の食事において推奨野菜メニューの注文率が有意に増加したことが示されました。
調査結果
研究の結果によれば、「ベジチェック®」の測定率は休日で約29%に達し、特に小学生以下のお子様連れの顧客の測定意向が顕著でした。ナッジの影響を受けたグループの60%が、野菜摂取のリーチに関して「すぐに実行したい」と答えており、その意識変化が実際の注文に結びついていることが確認されました。
今後の展望
本実証研究から得られた成果は、外食時における野菜摂取促進のための道筋を示しており、ナッジやデバイスの利用により顧客行動に変化をもたらす可能性が明らかになりました。しかし、注文率の増加は大きくないため、今後はさらなる改善が求められます。カゴメは引き続き多様な戦略を展開し、日本人の野菜摂取の向上を目指していく方針です。
まとめ
カゴメとゼンショーが行った共同研究は、外食時における野菜摂取の重要性そしてその促進方法に新たな光を当てました。これからも、より健康的な食習慣を促進する取り組みが期待されています。