足はじ力トレーニングゲームの開発開始
近年、健康を意識する中で、高齢者の転倒防止が社会的な課題となっています。その中で、株式会社ニフコが湘南工科大学との共同で「HAJICHECK(ハジチェック)」という足はじ力(足の握力)を測定する器具と、それに連動したトレーニングゲームの開発を始めました。
足はじ力とは?
「足はじ力」は、私たちの身体の安定性やバランスに欠かせない要素で、特に高齢者にとっては転倒防止に重要な役割を果たしています。最新の研究では、転倒した高齢者は、転倒しなかった人に比べて足の握力が平均20%低いことがわかっています。さらに、足指のトレーニングを行った高齢者が転倒リスクを大幅に減少させるという結果も報告されています。
この背景から、株式会社ニフコは足はじ力の測定とトレーニングを楽しく効率的に行える「HAJICHECK」を開発しました。この器具は、足はじ力を可視化するだけでなく、そのデータをもとにゲームで楽しみながらトレーニングできる仕組みを提供しています。
産学連携プロジェクトの概要
このプロジェクトは、湘南工科大学の情報学部に所属する学生たちが参加し、デジタル技術とZ世代の新しい発想を取り入れたトレーニングゲームの構築を目指しています。プロジェクト名は「足から健康に!HAJICHECKゲーム開発プロジェクト」で、活動は2025年4月から同年10月までの予定です。最終的には、2025年10月に発表会を行う予定です。
活動の目的は、「健康×ゲーミング」としてZ世代の創造力をもとにしたトレーニングゲームを開発し、健康意識を高めることにあります。高齢化社会の中で、特に健康に対する意識改革と転倒のリスクを軽減する方法として、こうした取り組みが期待されています。
今後の展開
プロトタイプがいくつか開発された後、ユーザーテストを行いながら、改善点を見つけ出し、最終製品の完成を目指します。完成したゲームは、2025年9月に開催される「東京ゲームショウ2025」や、10月の「H.C.R.2025 第52回国際福祉機器展&フォーラム」でも展示される予定です。
ニフコは、「小さな気づきと技術をつなぎ、心地よい生活と持続可能な社会を創造する」という理念に基づき、さまざまな社会課題に向き合いながら、より良い製品やサービスの開発を進めていきます。今後も大学や研究機関との協力を拡大し、さらなるイノベーションに挑戦していくとのことです。
このような産学連携の取り組みは、将来的な健康社会を築くための重要なステップと言えるでしょう。高齢者の健康維持や転倒防止に寄与する「HAJICHECK」のさらなる進化に期待が高まります。