中小企業の採用管理システム導入実態調査
株式会社ミツモアが実施した調査により、中小企業の採用管理システム導入の現状と課題が浮き彫りとなりました。本記事では、調査結果をもとに、導入を希望する企業とその背後にある障害について詳しく探ります。
調査概要
調査対象は、従業員50〜299名の中小企業の採用担当者109名です。過去に採用管理システムの導入を検討したものの、最終的には断念した理由とその後の意向を把握することを目的としています。
導入再検討の意向
調査結果では、なんと7割以上(70.7%)の担当者が「条件さえ整えば再度導入したい」と回答しています。この結果からも、多くの企業がシステム導入を切望していることが伺えます。
導入断念の主な理由
導入を断念した理由の第1位には「導入・運用コストが高すぎた」(28.4%)が挙げられました。このコスト問題が、検討中の企業にとって大きな障壁となっていることは明らかです。次いで「現場の理解が得られなかった」(18.3%)や「導入作業が難しそうだった」(17.4%)という意見も多く集まりました。
また、採用関連業務の大部分をいまだにExcelや紙で処理している企業が56.9%を占めており、多くの時間と労力が非効率的な運用に費やされています。特に、同じ情報を何度も入力する必要があることや進捗管理に時間がかかるといった課題が多く報告されました。
デジタル化の遅れと競争力
調査では、44.1%の企業が「自社の採用業務デジタル化は他社より遅れている」と認識しています。この遅れが、競争力の低下につながっていることを感じている企業が多いことが分かります。業務効率を向上させるためには、デジタル化へ早期に着手する必要があります。
導入時の期待効果
採用管理システムを導入したい理由としては、「採用にかかる時間を短縮したい」(40.4%)という声が最も多く、次いで「採用データを分析や改善に活かしたい」(33.0%)との意見も上がりました。つまり、システム導入により時間の節約だけでなく、選考プロセスをより合理的に進めたいというニーズが高まっています。
効果的なサポートのニーズ
調査結果によると、導入検討を円滑に進めるためのサポートとして「効果試算の具体的サポート」(45.0%)や「導入・運用コストの透明性」(37.6%)が必要だと感じている企業が多いことが判明しました。同規模企業の成功事例を共有することも有効で、情報が整えば導入の決断がスムーズに進むとの意見が寄せられています。
まとめ
中小企業の採用管理システム導入についての実態調査を通じて、明確な課題と意向が浮かび上がりました。多くの企業が課題を抱えつつも、導入を再度考えたいという強い思いを持っています。今後、SaaS選定プラットフォームなどを通じて、必要な情報提供や支援が進むことで、これらの企業が直面する導入障壁が解消されることが望まれます。中小企業のDX推進の鍵は、情報の一元管理や効果的なサポートの提供にあると言えるでしょう。