東京大学主催のマンション防災教育で住民の安全を守る新たな取り組み

株式会社WAVE1は、東京大学生産技術研究所附属災害対策トレーニングセンター（DMTC）からの依頼を受け、「The マンションレジリエンス」という防災教育プログラムを制作しました。このプログラムは、住民主導の防災行動を促進し、共助・自助・行政の連携を強化することを目的としています。

プログラム概要と訓練の実施

2025年9月20日には、この教育プログラムのモニター訓練が行われ、マンション管理組合役員や住民代表20名が参加しました。実施内容にはプログラム講義とワークショップがあり、参加者は防災アクションプランを作成し、発表しました。この訓練を通じて、実用性や改善点に関するフィードバックが集まりました。

訓練の成果として、以下の点が挙げられます：
マンション特有の共用部分や設備についての課題の具体化
住民の共助体制の重要性の認識向上
防災マニュアルの必要性の再確認
教育内容が実践可能であると評価されました

実施背景と熊本地震の教訓

このプログラムは、2016年の熊本地震から学んだ教訓に基づいています。この地震では多くのマンションが被害を受け、特に共用部分や設備の損傷が住民の生活に深刻な影響を与えたことが指摘されています。事例として、546棟の分譲マンションのうち527棟が被害を受け、約9%は大規模補修が必要とされたことが挙げられます。このことから、家屋の耐震性や共用部分の防災対策がいかに重要かが実証されました。

「The マンションレジリエンス」の重要性

WAVE1がこのプログラムに注力する理由は、住民教育と防災力診断の両方が必要不可欠であると考えているからです。住民が自宅での在宅避難を想定しているにもかかわらず、実際の備蓄やマニュアル整備が不十分であるという現実があります。この課題に対処するためには、住民間での合意形成や初動対応能力の向上が关键です。

WAVE1は「The マンションレジリエンス」を通じて住民や管理組合に具体的な改善策を提供し、災害時のリスクを軽減することを目指しています。マンション団体や行政との連携も視野に入れた取り組みが進められており、自治体の防災政策とも連携することで、より充実した防災体制を構築していく予定です。

未来への展望

今後、WAVE1は得られた知見を基に「The マンションレジリエンス」の内容をさらに充実させ、実地導入を進める計画です。教育プログラムの改訂やマンションごとの実地導入を通じて、共同訓練や防災計画の策定を進め、地域全体の防災力向上に貢献していくことを目指しています。

WAVE1は、「建物診断」と「住民教育・訓練」の3位一体のアプローチを通じ、住民が安心して暮らせる環境を提供し、行政の課題解決に寄与することを目指します。マンション防災と在宅避難の整備は、住民の生活の質や安全を守るだけでなく、行政の対応負担軽減にもつながる重要な取り組みです。