日本初!全訳で読める『新訳ハムレット増補改訂版』の魅力
株式会社KADOKAWAは、2024年9月24日に『新訳ハムレット増補改訂版』を刊行します。この作品は、シェイクスピアの名作『ハムレット』を改めて読み直すチャンスであり、特に原文のリズムやライムを忠実に再現した日本語訳として注目されています。翻訳は、東京大学教授の河合祥一郎氏が担当しました。彼はシェイクスピア研究の第一人者であり、その深い知識が作品に色濃く反映されています。
『ハムレット』とは?
『ハムレット』は、デンマークの王子が父の死の真相を探る物語です。彼は母親の再婚や叔父による暗殺の真実に悩み、「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」という悩みに心を乱されます。多くの人が持つ印象に反して、ハムレットは実は太った30歳の醜いひげ面の青年として描かれていることが、本書の注目ポイントの一つです。
この新しい訳では、過去の翻訳の中でも最も有名なフレーズ「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」が採用されています。河合氏は、これまでの訳の中でこの訳が採用されていなかったことを確認し、新たな文脈を作り出しています。これにより、読者はより共感しやすい形で作品に触れることができるでしょう。
河合訳の特筆すべき点
1. 原文のリズムとライムを全訳
シェイクスピアの作品において、韻文のリズムは不可欠な要素です。しかし、多くの翻訳がその美しさを失っています。河合氏による今回の訳では、そのリズムを忠実に再現しており、声に出して読む楽しみが体験できます。この取り組みにより、読者はまるでシェイクスピアの当初を感じることができます。
2. 野村萬斎氏のプロデュース
河合訳は、狂言師の野村萬斎氏がプロデュースしていることも特筆すべき。彼は多くの舞台作品でこの訳を用いており、演技や芝居に直結する翻訳として高く評価されています。
3. 正確なフォーリオ版の採用
シェイクスピアの草稿であるクォート版ではなく、彼自身が改訂したフォーリオ版を翻訳の基礎に据え、より正確な形での表現を実現しています。この取り組みにより、翻訳の価値も増し、読み応えのある作品になりました。
4. 脈々と受け継がれてきた名台詞の意味
この新訳では、ハムレットの名台詞の一つが継承されています。文学に興味を持つ人々にとって、この言葉の厚みが作品全体を明らかにし、興味をそそります。
5. 増補情報と注釈の充実
改訂版では、多数の注釈が追加されており、作品の理解が深まる工夫が施されています。また、河合氏のさらなる研究に基づいた新しい知見も含まれていて、充実した読後感が得られます。
結びに
『新訳ハムレット増補改訂版』は、シェイクスピアの作品を深く理解し、楽しむための絶好の機会です。2003年版を読んだ方も、今後の再読を通じて新しい発見があることでしょう。文化的背景や登場人物の深さを知ることで、ドキドキするストーリーに対する新しい視点が得られます。2024年の読書リストに追加し、ぜひ読んでみてください。