介護施設入居実態調査2025の結果
株式会社LIFULLのグループ会社であるLIFULL seniorは、2025年に向けて「介護施設入居実態調査」を実施しました。この調査は、今後の高齢化の進行に伴う介護サービスのニーズの高まりを考慮し、家族や親族の介護施設入居に関する様々な要素を探るもので、1,873名を対象に行われました。
調査の背景
2025年、団塊世代が75歳以上となることで、社会全体の高齢化が一層進むと予想されています。そうした中で、介護サービスに対する需要は急速に増加し、2024年4月の介護報酬改定も影響し、自宅での介護から施設への入居の流れが強まると見込まれています。また、個々の高齢者のライフスタイルの多様化も進むことで、介護施設自体もその形態に変化が求められる時代に突入しています。
調査結果の概要
1.
探し方の主な手段
調査によると、老人ホームを見つける最も一般的な方法は「ケアマネジャーに相談する」というもので、44.2%の人がこの手法を選びました。次いで「インターネットで調べた」という回答が35.6%となっており、前回調査と比較するとインターネットを利用する人の割合が増えています。
2.
見学件数の増加
施設探しの過程において、特に顕著なのは見学回数の増加です。「3か所以上見学した」という回答が24.4%増加しており、入居希望者はより多くの施設をじっくりと比較検討する傾向にあります。
3.
入居までのスピード感
急ぎの介護施設探しがよく見られる現状も顕著で、約31.4%の人が入居までに半年以内に探し始めたと回答しています。このことは、急な体調変化や入院などで、はじめて屋住環境を変える必要に迫られる家族が多いことを示唆しています。
4.
重視するポイント
金銭面や立地以外で重視されたのは、「スタッフの質や雰囲気」で32.4%の支持を受けました。高齢者が快適に生活するためには、施設のスタッフとのコミュニケーションが非常に重要と言えます。
5.
想定外の出費
入居前に想定外だった点については、「想定よりお金がかかる」という回答が24.2%を占め、これは多くの人が介護施設の料金体系の複雑さに苦心していることを示しています。また、面会の制限が入居後の生活に影響を及ぼすことも挙げられています。
編集長の見解
LIFULL介護の編集長である小菅秀樹氏は、急いで施設を探す家族の事情を理解しつつ、適切な判断が求められると指摘します。ミスマッチを防ぐためにも、最低でも3カ所を見学し、実際にスタッフや施設の雰囲気を体感することを勧めています。食事や面会方法についても事前に確認することが望ましいと述べています。
まとめ
この調査は、高齢化社会における介護施設の実態をより明確にするものであり、今後の介護施設探しに役立つ情報を提供しています。これからの時代において、家族が安心して施設を選ぶことができるよう、情報を十分に把握し、慎重に検討することが重要です。