株式会社レゾナック、低炭素アンモニア事業を本格展開
株式会社レゾナック(代表取締役社長 CEO:髙橋秀仁)は、神奈川県川崎市にある川崎事業所にて、プラスチック由来の水素を使用した低炭素アンモニア事業の拡大を発表しました。この取り組みは、2030年4月からの設備稼働を予定しており、持続可能な社会に向けた重要な一歩となります。
低炭素化の具体的な施策
今回の施策では、使用済みプラスチックから得られる水素のみを原料とし、環境に優しく低炭素化を目指します。この取り組みは、経済産業省による低炭素水素の供給促進に関する法律のもとで認定されており、アンモニアの需要家である日本触媒と共同で申請を行いました。
川崎事業所では、従来からプラスチック廃棄物をガス化し、その結果得られる水素を用いてアンモニアを製造しています。新たなプロセスの導入により、今後は100%使用済みプラスチック由来の水素での生産を実現する予定です。
衣料リサイクルの可能性
さらに、2024年からは使用済み衣料も新たな原料として実証実験を行うことが決定しました。これにより、アンモニアの誘導品であるアクリロニトリルを製造し、繊維メーカーへの供給を視野に入れています。こうした取り組みは、衣料の資源循環の実現にも寄与するものです。
環境への配慮
プラスチックのケミカルリサイクルにより生み出される製品は、低炭素化と資源循環が可能な環境価値の高いものです。特に、副生の炭酸ガスは無駄にせず、社内でドライアイスや炭酸飲料の原料として活用されます。これにより、RESONACITYグループ全体のサプライチェーンでの競争力強化を目指しています。
KPR事業の実績
レゾナックが推進するプラスチックケミカルリサイクル(KPR)事業は2003年から続いており、商業的にも安定した運営実績を誇ります。2023年には、この事業の一環として、ISCC PLUS認証を取得した水素、アンモニア、アクリロニトリルを市場に提供しています。今後も持続可能な製品の供給を目指し、さらなる技術革新に努めます。
持続可能な未来への取り組み
当社は、脱炭素社会と資源循環型社会の実現に向けて、企業間の連携を深めると共に、持続可能な経営を推進しています。技術の高度化を図り、資源循環と脱炭素化を両立させるための取り組みを今後も続けていく所存です。プラスチックのケミカルリサイクルは、未来に向けた重要な施策であり、これにより持続可能な社会の実現を目指します。