高校生が挑む持続可能な海洋利用
一般社団法人 海と日本プロジェクトinえひめが主催した「宇和海ブルーエコノミー学習プログラム」が、愛媛県内外の高校生17名を対象に踊り出しました。このプログラムは、持続可能な海洋利用と経済活動の両立をテーマに、宇和海のフィールドワークを交えて深い理解を促すもので、2回の開催に分かれています。こうした取り組みは、次世代へ美しい海を継承するための重要な一歩となっています。
プログラムの概要
開催日程
- - プログラム① : 2025年7月26日(土)~27日(日)
- - プログラム② : 2025年8月23日(土)~24日(日)
開催場所
愛媛県宇和島市、愛南町、伊方町、八幡浜市、西予市
このイベントは、参加者に海の素晴らしさを肌で感じてもらうことを目的とし、各プログラムで異なる体験を提供しました。特に、高校生たちは地元の海の状況を学びながら、自分たちの視点で持続的な利用に対する考えを深めることが求められました。
プログラム①のハイライト
水産業の現場を学ぶ
プログラムの初日は、愛媛県水産研究センターでブルーエコノミーについての講義が行われ、田中元先生が海洋産業の現状や将来の可能性について解説しました。講義の後は、センター内で育てられている魚を観察し、愛媛県における水産業の取り組みを直接見ることができました。
漁業体験と海ごみ問題
午後には、宇和島市の漁村でカヤックを使った海洋ごみ拾いに挑戦。参加者は、実際に海に出てごみを回収する中で、環境問題の重要性を実感しました。その後、地元で取れたマアジを使った一夜干し作り体験も行われ、食品加工の技術を学びました。
養殖漁業の見学
次の日は、愛南町で実際の養殖場を訪問し、様々な魚種の養殖手法を学び、さらに地域資源を活用した経済循環についての知識も得ました。
プログラム②の特色
伝統漁法と持続可能性
2日目では、伊方町でしらす漁の見学が行われ、参加者は漁場の現状や品質管理の取り組みについて学びました。また、赤ウニの伝統的な漁法「漁士(あまし)」に触れ、そのブランド化戦略についても学びました。これらの体験を通じて、持続可能な水産業の重要性が強調されました。
市場のリアルと料理体験
さらに、八幡浜市での卸売市場訪問では、実際に水産物が取引される現場を見学し、市場の活気を肌で感じました。その後、低利用魚アイゴを使った料理教室も開かれ、参加者は自らの手で調理し、その可能性を実感しました。
参加者の評価と結論
プログラム終了後、参加者は自分たちの学びを基に「ブルーエコノミーの視点を持って事業を興すための計画」を発表しました。養殖技術の専門学校設立や海洋ごみ回収活動の地域ポイント制度など、多様なアイデアが寄せられました。この経験が、次世代のリーダーたちに持続可能な未来を思考する機会を提供することは、極めて重要であるといえます。
最後に
このように、海洋利用と経済活動の調和を探求する「宇和海ブルーエコノミー学習プログラム」は、高校生たちに新たな知識と経験をもたらし、未来の海を守る意識を育む貴重な機会となりました。