訪問介護の現場での直行直帰制度とその課題を探る

新型コロナウイルスの影響により、訪問介護の形態は大きな変化を迎えています。その中で、特に注目されているのが「直行直帰制度」です。この制度は、介護スタッフが自宅から利用者のところに直接訪問し、サービスを提供した後、再び自宅へ戻るというものです。これにより、時間の使い方が効率化され、体力的にも負担が軽減されるメリットがあります。また、経費の削減やサービスの質向上にも寄与するとされています。

実際のところ、コロナ禍における調査によれば、70%以上の事業所がこの制度を導入しているとされていますが、果たして現場での実態はどうなのでしょうか。先日、訪問介護専用アプリ「Colibri」を提供するColibri合同会社が実施した調査によると、4割近くのスタッフが「直行直帰できていない」と答えています。

直行直帰制度の実際

調査結果から明らかになったのは、訪問介護の現場で働く多くの方が直行直帰できていないという厳しい現実です。一日に一件以上稼働する日が「毎日」と答えたスタッフが45.8%、週に3〜4回が33.1%という結果でした。

さらに、週に数回、事務所に出勤することを求められている実態も浮き彫りになっています。事務所に何度も通う理由として多く挙げられたのは、記録提出やシフト確認、出退勤といった業務です。中でも、「記録提出」が最も多い理由であり、57.3%のスタッフがこの理由で出社していると回答しています。これにより、直行直帰が難しい現状が続いていることがわかります。

オンラインシステム導入の必要性

事務所への出社を減らし、より効率的な働き方を実現するためには、オンラインシステムの導入がカギになると考えられています。調査では、「勤怠管理システム」や「シフト管理ツール」があれば、オンラインでの業務が可能になるとの意見が多く寄せられています。勤怠管理システムにGPS機能を取り入れることで、スタッフは出外先でも円滑に業務を遂行できるようになります。これにより、直行直帰がより現実的なものとなるでしょう。

現場の声と改善の必要性

また、現場のスタッフからは「勤怠管理に事業所に通わなければならないのは無駄だ」という声や、「紙面記録の提出が手間だ」といった不満も多数寄せられています。これらの声には、今後の訪問介護業界においてデジタル化が不可欠であるという共通の認識が見受けられます。

具体的には、勤怠管理や記録作成をデジタル化することで、業務の効率化が推進され、スタッフが利用者への直接的なケアにより多くの時間を費やせるようになります。

「Colibri」の役割

訪問介護専用アプリ「Colibri」は、こうしたニーズに応えるべく開発されたものです。このアプリは、ヘルパーの記録作成をシンプルにし、サ責が計画書を作成する際、それが自動的に記録として表示される機能を持っています。これにより、労力を軽減し、効率的な業務が可能となります。

さらに、シフト管理や情報共有もリアルタイムで行えるため、スタッフとサ責や管理者とのコミュニケーションが円滑になります。これにより、事務所への出社回数を減らし、直行直帰の実現が一層近づくでしょう。