はじめに
建設業界は現在、熟練技能者の不足や高齢化の問題に直面しています。このような現状を打破するために、Kudan株式会社を中心とした6社が共同で建設ロボティクス分野に注力し、新たなソフトウェア開発基盤の研究開発に着手しました。この取り組みは、ロボティクス技術を駆使して建設現場の自動化を促進し、効率化を図ることを目的としています。
リーダーシップを取る6社の紹介
本プロジェクトに参加するのは、Kudanをはじめとする竹中工務店、ジザイエ、アスラテック、燈、センシンロボティクスの6社です。各社は、それぞれ独自の専門性を活かし、ロボティクス技術の革新を応援しています。
- - Kudan株式会社: 空間知覚アルゴリズムの研究開発に特化し、ロボティクスや自動運転技術の進化をリードしている。
- - 竹中工務店: 建設業界で長年の実績を誇り、プロジェクト全体のアーキテクチャ設計を担当。
- - ジザイエ: ハードウェア機能の進化を促し、様々な作業に対応する移動ユニットの開発を進める。
- - アスラテック: 安定した通信環境を構築し、ロボット同士の円滑な連携を確保する責任を担う。
- - 燈: 仮想空間での事前検証技術を用いて、実際の建設シミュレーションを行い、安全性を高める。
- - センシンロボティクス: 複数のロボットを管理・制御するシステムを構築し、効率的なオペレーションを実現する。
研究・開発の背景と目的
建設業界の現状は、労働力の減少と生産性向上の必要性が増加しています。熟練技能者の高齢化が影響し、業務の効率化といった変革が求められています。その中で、トランスフォーメーション技術(RX)が新たなソリューションとして期待されているものの、今までの技術は単独のベンダーに依存しており、互換性欠如や高い開発コストといった課題が存在していました。
今回の共同プロジェクトは、建設RXコンソーシアムの知見をもとにオープンな開発プラットフォームを作り出し、業界全体の進化を図ります。具体的には、6つの研究開発項目を設定し、ロボットが共通の機能モジュールを活用できる環境を整えます。
具体的な開発項目
1.
全体アーキテクチャ設計: 竹中工務店がロボットの機械部分からソフトウェアまでを統合したアーキテクチャを設計。
2.
ソフトウェア機能開発: Kudanが、ロボットが現場で正確に位置を把握し自動で移動できる技術を実現。
3.
ハードウェア機能開発: ジザイエが、標準化された構造を持つ共通移動ユニットを提供。
4.
通信環境構築: アスラテックが5GやWi-Fi、メッシュ通信を活用した安定通信システムを開発。
5.
事前検証技術の開発: 燈が仮想空間での動作検証を行い、リスクを事前に評価。
6.
運用支援管理ツール: センシンロボティクスが、さまざまなロボットを一元管理するシステムを構築。
今後の展望
この取り組みにより、ロボットの開発・運用コストの削減を図ることが期待され、効率化はもちろんのこと、建設業界全体のデジタルトランスフォーメーションを加速することが見込まれます。また、この基盤は他の産業にも展開され、日本のロボティクス産業の国際競争力を高めることが狙いです。
Kudan株式会社の概要
Kudanは、現実空間とデジタル空間を結びつける技術を用いて、ロボティクスやデジタルツインなどの革新を支援している英国発祥の企業です。詳細は
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