NECのAIコードレビューサービス「Metabob」が業務を変革
2023年1月、NECは最新のAI技術を駆使したコードレビューサービス「Metabob」を正式に導入しました。このサービスは、NEC X, Inc.が提供し、同社の新たなビジネス創出の一環として展開されています。導入の背景には、NECが推進するデジタルトランスフォーメーション(DX)のさらなる進化があります。
NECのAI活用戦略
NECは、AIネイティブカンパニーを目指し、経営や人事など7つの領域でAIを活用した改革を進めています。特に「クライアントゼロ」戦略に基づき、企業内で最新技術を実践し、その成果を顧客や社会に還元する取り組みを強化。例えば、営業部門ではAIエージェントが商談から契約までのプロセスを支援し、生産性を向上させています。
従来の開発プロセスでは、人手に頼ったコードレビューや保守が主流でした。このため、複雑なバグの検出や修正作業に時間がかかり、結果として開発サイクルが延びる問題がありました。しかし、Metabobを導入することで、これらの課題を解決することを目指しています。
Metabobの特長と成果
Metabobは、従来の静的解析ツールとは異なり、コードの依存関係をグラフで解析。これにより、複雑なバグを事前に特定し、実行時エラーの予兆を発見することが可能です。また、数百万件のコード修正データを学習した独自のAIモデルにより、バグの発見、原因の説明、修正案の提示を自動化しています。
実証結果によると、Metabobを活用することで、ソフトウェアの保守や不具合修正作業にかかる工数が以下のように大幅に削減されました:
- - 人手による目視レビューおよび手動修正と比較して66%削減
- - コーディングAIツールを使ったレビューおよび修正と比較して50%削減
このデータは、Metabobの導入が実際に効果をもたらすことを示すものであり、NECは今後の本格運用を決定しました。
今後の展開
NECとNEC Xは、Metabobの運用効果を継続的に検証していく方針です。他の部門での導入や活用支援にも取り組む予定で、今後の展開に期待が寄せられています。
Metabob創設者のMassimiliano Genta氏は、企業が求めるのは単なるコード生成ツールではなく、複雑なシステムに対しても正確に動作するAIであると述べています。このような期待に応えるため、開発現場で実際に得られたデータを元に、高品質な製品の提供を進めているとのことです。
NEC Xの松本眞太郎氏も、Metabobの導入がAIネイティブカンパニーへの大きな一歩であると強調しており、AIの導入が開発の効率化や品質向上に貢献することを期待しています。
今後もNECは、最先端の技術を取り入れ、得た成果を社会に還元し続ける意向を示しています。
Metabobの導入により、NECは開発環境での新たなスタンダードを築く試みを進めています。企業が抱える課題を解決し、次世代のAI技術を実現する取り組みから目が離せません。