JAXA認定ベンチャーの挑戦
2023年、宇宙ベンチャーの株式会社天地人がカンボジアで実施した漏水リスク診断プロジェクトが話題です。このプロジェクトは、株式会社北九州ウォーターサービス(KWS)の協力を得て、独立行政法人国際協力機構(JICA)の「カンボジア国ニロート上水道拡張事業準備調査」の一環として行われました。
プロジェクトの目的と背景
このプロジェクトは、プノンペン都における水道管の老朽化を見極め、漏水リスクを低減することを目的としています。人工衛星から取得した画像データにKWSが保有する水道管路および漏水修繕データを組み合わせ、AIによる分析を通じて、漏水防止と水道管理のDX化(デジタルトランスフォーメーション)を実現することが目指されています。
実証実験の内容
実証実験は2023年9月8日から12月31日まで行われました。実験では、約100m四方のメッシュ単位で漏水リスクを5段階に評価し、プノンペン市及び周辺の漏水リスクの高い地域と低い地域を特定しました。主要な要因として、管路の長さ、設置年、口径、土地利用、人口密度、地表面温度が挙げられました。
成果と今後の展望
実験の結果、プノンペン都における漏水リスクの評価に十分なデータが整ったことが示され、漏水修繕に関する履歴データも蓄積されていることが明らかになりました。また、今回の実証実験を通じて、ODA(政府開発援助)を利用した開発途上国での漏水リスク評価の実施が可能であることも確認されました。
JAXAの認定を受けたこのプロジェクトは、衛星データを駆使した新しい手法の試みで、今後の水道事業におけるデジタル技術の導入に大きな影響を与えることが期待されます。
会社概要
株式会社天地人は、東京都中央区に本社を構え、衛星データを用いた土地評価やコンサルティング業務を手掛けています。代表取締役の櫻庭康人氏のもと、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが続けられています。公式ウェブサイトでは、さらなる情報が公開されています。
結論
今回のプロジェクトは、デジタル技術と衛星データを活用することで、開発途上国における水道管理に新たな道を切り開くものであり、今後のプロジェクトへの展望が楽しみです。