三浦工業が新たに導入したガス焚き小型貫流蒸気ボイラSQ-CS型
産業用ボイラメーカーとして知られる三浦工業株式会社は、2025年3月から新型「ガス焚き小型貫流蒸気ボイラSQ-CS型」を順次発売すると発表しました。既存のSQ-AS型モデルを進化させ、さらなる省エネや環境負荷の低減を実現したこの新モデルは、相当蒸発量が2,000kg/h、2,500kg/h、3,000kg/hのバリエーションがあります。
新型ボイラは、これまでのボイラの高効率、低NOx、そして省スペース設計をそのまま維持しつつ、さらなる改善が施されています。特に注目すべきが、標準装備されたO₂センサによる機能です。このセンサは、排ガスのO₂濃度を常に監視し、適切な燃焼状態を保つための制御を行います。これにより排ガス損失が約6%低減し、ボイラ効率も0.1%向上することが期待されています。
次に、特許取得済みの「O₂トリミング制御」が搭載されている点も大きな特徴です。従来は空気比一定制御が主流でしたが、新型ボイラではO₂センサが燃焼排ガスを常時監視し、ガス流量制御弁を通じてガス流量を調整する仕組みが導入されました。この技術により、燃料の組成や熱量の変動に関係なく、安定したボイラ出力を維持することが可能です。結果として、CO₂排出量の削減にも寄与し、持続可能な社会の構築に向けた一歩となります。
さらにエコノマイザの改良により、ボイラ効率が99%を標準化しました。構造の見直しによって、燃焼ガスからの熱回収が向上し、従来よりもさらに高いボイラ効率を実現しました。
このSQ-CS型は連続パイロット制御による迅速な負荷追従性能や、大型予混合バーナによる低NOx性能を兼ね備えており、産業界全体のエネルギー消費削減に貢献することが期待されています。2050年カーボンニュートラルの達成に向けた重要な取り組みとして、この新モデルは注目を集めています。
主な仕様
- - 型式: SQ-CS型
- - 相当蒸発量: 2,000kg/h、2,500kg/h、3,000kg/h
- - ボイラ効率: 99%
- - NOx性能: 25ppm以下
今後、新たな技術が持続可能なエネルギーの利用にどのように寄与していくか、非常に楽しみです。